キャッパーズ~少年と四霊たち~

アルケン【なんかいろいろ編集者】

第1話 始球式

「さぁ始まりました。第301回キャッパーズ四霊戦」

四霊戦の開始を告げるアナウンスが会場に鳴り響いた。

四霊戦とは、50m×50mのフィールドで行う競技で

相手の体に向かってキャップを投げあい、どちらかがKOされるまで続く、

いわばデスマッチである。キャップの数は最初20個で30秒ごとに5個増える。

最大100個まで持っていることができるのだ。

そんな四霊戦を見にきていた俺は今、自販機に飲みのものキャップを買いに来た。

もちろんお目当てはである。

(カタキャ…硬いキャップの略称)

四霊戦ファンの俺らにとっては飲み物はおまけで

キャップこそに百何十円の価値があるのだ。


「おっ始球式が始まったか」

俺の友達がそばで言った。そこで俺らは急いで席に行こうとした。

三歩、歩いたところで頭にキャップが飛んできた。

始球式のキャップだった。俺は気持ちが高鳴って、

全身の力を振り絞って投げ返した。

そうして投げたキャップは思いのほか飛んで、

それどころか目にも留まらぬ速さで会場へと飛んでいった。

すると観客席から大きな歓声が。


まさかこの行動で俺の人生がまるっきり変わるとは。

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