コーディングルールを作ってみよう!

マニュアルを読まない人のマニュアルは、

今回と次回の内容で最後となります。


今回と次回の2回で挑戦するのは、


コーディングルールを作り、

特定の語の登場頻度をグラフ化する。


という分析です。


「なんのこっちゃ?」って感じですよね。

順を追って説明します。



まず「コーディングルールってなに?」ってところから始めましょう。


KH Coderでは、

「コーディングルール」というものを作成することで、

特定の語のグループを作ることができます。


実際にどんなふうに作るのか見た方が早いかもしれませんね。

こんな感じです。



*アムリタ

アムリタ or アム or リータ


*トモビキ

トモビキ | トモ


*クシャ美

クシャ美 | シュバリー


私が自分の作品を分析する際に用いたコーディングルールの一部を持ってきました。

これを例に見ていきましょう。


まず「*」がついている部分は、

いわばグループ名です。


そしてその下に列挙されているのが、

そのグループに属する語です。



*アムリタ

アムリタ or アム or リータ


であれば、

「*アムリタ」がグループ名。

それに属する語が「アムリタ」と「アム」と「リータ」です。



*トモビキ

トモビキ | トモ


であれば、

「*トモビキ」がグループ名。

そして「トモビキ」と「トモ」がグループに属する語ですね。



語と語の間にある「or」と「|」は同じ働きをしていて、

単語の区切りとなっています。

「トモビキトモ」ではないよ。「トモビキ」と「トモ」だよ。と伝えています。

(厳密には全く違うんですけど、今回はわかりやすさ重視なので、そのように説明しておきます)



コーディングルールを設定することによって、

指定した語が登場する文を数えることができます。


つまり、「アムリタ」って語が含まれる文章があったら、

それは「*アムリタ」グループの文章として数えられます。


「アムリタ」だけではなく、

「アム」や「リータ」のどれか1つでも登場すれば、

その文章は「*アムリタ」グループとして扱われます。



文章が複数のグループに所属することもあり得ます。

「アムリタとクシャ美はトモビキを睨んだ。」なんて文章があったら、

その文は「*アムリタ」と「*クシャ美」と「*トモビキ」、全てのグループに属していることとなります。



この後の分析では、

「第1話では、『*アムリタ』グループの文章が〇個ありました」

「第2話だと、『*アムリタ』グループの文章が×個でした」

「第3話だと……」

と比較し、グラフを作っていきます。


それによって、

小説の見せ場や、読者が面白いと感じやすい場所を推測できます。



なのでコーディングルールでは、

登場人物の名前や、特定のテーマに関する語を指定していきます。


上記の「*アムリタ」などはまさに登場人物の名前のグループです。

「アム」などあだ名などで呼ばれることもあるので、そのあだ名も指定しています。


特定のテーマに関する語というのは上の例にはありませんが、

もし恋愛ものの作品なら、

「*恋愛」というグループを作って、

「キス」「好き」「愛」「恋」「恋愛」といった語を指定する、

ということが考えられますね。


要するに、作品の肝となる部分を設定してね、ってことです。



では実際にコーディングルールを作成してみましょう。


今回は単純に、

主要登場人物でコーディングルールを作ります。


まずは抽出語リストを確認します。

名前がちゃんと抽出されていないと、分析しようがないからです。


登場人物の名前で検索してみて、

ちゃんと表示されたらオッケーです。


表示されなかった場合、名前が複数の語に分割されている可能性があります。

その場合は、

1.分割されている語の1つを採用する

2.強制抽出する語に名前を入れて、もう一度前処理をする

のどちらかで対処します。


できれば、2の方法を使うことをオススメします。


キャラによっては、苗字で呼ばれたり名前で呼ばれたりあだ名だったり、

様々な呼ばれ方をすると思います。

その全てをまとめてグループにしてあげましょう。

そのためにも、あだ名も含めて、強制抽出することをオススメします。


強制抽出の手順は、

「下準備の後編です!分析開始までもう少し!」

に書いてありますので、そちらを参考にしてください。




さていよいよ、コーディングルールの記入に移ります。

コーディングルールは、テキストファイル(txt)で表記します。

Windowsなら、「メモ帳」というアプリを用いるのが一般的でしょうか?


エクスプローラーの画面で、右クリックから

「新規作成」→「テキスト ドキュメント」

でもテキストファイルを作れるはずです。

そうして作ったテキストファイルを開けば、

メモ帳で編集できると思います。



「*」は、

エンターキーの近くにある、

「け」「:」のキーとシフトキーで入力できます。

ちなみに「*」は全角でも半角でも大丈夫です。


キーボードによっては、少し位置が異なるかもしれません。

自分のキーボードではどこを押せばいいのか、確認してみてくださいね。


そして「*キャラA」などとグループ名を書いたら、改行します。

改行したところから、グループに属する語を指定します。



「or(|)」は半角の文字でなくてはなりません。

全角はダメです。

そして「or(|)」の前後には、半角スペースを1つずつ入れます。

こうすることで、2つ以上の語をグループの仲間として登録できます。


つまり、

語1 半角スペース orか| 半角スペース 語2

というふうに書いていくのです。



「|」は、

バックスペースキーの左隣。

「¥」のキーとシフトキーで入力できます。


「*」同様、キーボードによっては、位置が異なるかもしれません。

こちらも確認してみてください。



コーディングルールは他にも様々な条件で指定できます。

ですが、本当に色んな条件があるので、

今回は「or(|)」だけを使います。



*キャラA

苗字 | 名前 | あだ名


*キャラB

苗字 | 名前 | あだ名


*キャラC

苗字 | 名前 | あだ名 | あだ名2



といった具合に、

主に登場するキャラクターのグループを次々と設定していきましょう。


思い付く限り書けたら、

コーディングルールの設定は完了です。

次回はこのコーディングルールを使って、分析をしてみます!

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