質問2の補足。どうやって物語を構築しているか

質問2で、プロットを書いていないと書きました。


そんなんで、どうやって小説や世界観を構築しているんだと思われる方も多いと思うので、現在僕がやっている書き方を、絶賛連載中(←言ったもん勝ち)の『異世界で双子の勇者の保護者になりました』を例に書いてみます。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054888170867


※本編のネタバレがありますので、ご注意ください。


まず、この小説を書くに当たって最初に決めたのは、『ちっこい未来の勇者を育成するお話』ということです。

決めたというとちょっと語弊がありますね。最初に頭に浮かんだ絵はといった方がいいでしょうか。


それをもとに、頭の中で最低限の起承転結を作ります。


起:神様に命じられ、主人公がちびっ子勇者の保護者になる

承:冒険者としてがんばる

転:やがてちびっ子も保護者も成長する

結:××××


まだ連載中なので、結は秘密ね。ですが、まあ、上の3つと同じくらいの文字数で表現できることです。


この内容はブレないようにしています。

この程度なら頭の中で覚えていられますから、書き出しはしません。

この程度すら忘れてしまうなら、その作品は書かない方がいいと思いますし。


なので、この頭の中に浮かんだ4行がプロットといえば、プロットかもしれません。


さて、書き始めるに当たって、このままでは話になりません。

そこで、第一部の話を決めます。


1.主人公転移する(←この時点で転移者設定はある)

2.主人公、奴隷商人から未来の勇者双子を買う(←この時点ではすでに兄と妹の2人になっている)

3.主人公、双子と一緒に冒険者登録する

4.最初の冒険までを書いて第一部終了


この内容も、頭の中だけに浮かべます。

この程度ならわざわざ書き出さなくても(ry)


同様に、第一部を2つに別けて前半の起承転結を決めます


1.神様によって主人公が転移する

2.奴隷商人の店まで堅物な女剣士が案内する

3.奴隷商人から双子を購入する

4.双子と主人公の心の交流を描く


この内容も頭の(ry)


同じように、1話1話も起承転結で考えていきます。


で、第一章が書き終わるくらいには、第二章の起承転結ができています。

同様に、第一部が終わる頃には、第二部の起承転結が……となります。


なので、たとえば、第一章が終わった時点では第三章の具体的な内容(魔の森でああいうことになるとか)は全く考えていませんでした。


でも、なんとかなるんです。

いえ、むしろなんとかします。


もちろん、書いていて『うわぁぁぁぁ、次どーすんだよ!?』って常になります。


そういうとき、僕は近くの市民プールに行って水中ウォーキングをするようにしています。

軽い運動をしているとね、あるとき『ハッ』とアイデアが浮かぶの。

そして、そのアイデアを元に、次の章の起承転結ができあがるんですよ。

この瞬間が本当に快感ですね。


 ---------------


この書き方が正しいなどというつもりはありません。

プロットは大切なんだ、プロットをきちんと組まない書き方なんて邪道だという意見ももちろん分かります。


ですが、この書き方が、少なくとも今の僕にとって一番『楽しい』書き方です。


先日4日間で4万文字、1日8話連続更新みたいなことができたのも、この書き方だったからだと思います。

プロットに縛られていたら、そんな書き方とても無理ですよw


 ---------------


繰り返しますが、これが正しいわけではありません。

あくまでも、30年ちかく小説を書き続けて、今、僕がたどり着いた書き方です。

今後も書き方を変えることはあるでしょうし、過去には全く違う書き方をしていました。


そして、もう一度書きますが、小説をまともに完結させたことがない人は絶対にプロットをきちんと書いて、完結させるべきです。

仮に僕が誰かに『小説の書き方を教える』なんてことになれば、まずはプロットの書き方を教えると思います(そんな大それたことをできるほど僕は偉くないですけど)

プロットなしで小説を完結まで持っていくのは、その100倍難しいですから。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る