第2話 ドラマ「動かぬ? 証拠」

 駅前のタクシー乗り場で待つこと十分、やっとタクシーが来た。


 後部座席のドアが開いて、一人乗り込む。


「××ホテルまでお願いします」


「え~お客さん、そんな近くじゃあ歩いたら」


「十分も待ったんだから、早く出して」


「はい、はい、わかりました」


 タクシー運転手はしぶしぶ車を走らせた。


 ××ホテルの玄関は広い車寄せで、入り口から車が侵入するとホテルの玄関まで二〇〇メートルも走る。その途中で料金メーターが上がってしまう。


 車がホテルの入り口に着いた。


「止めてください」


「……」


「止めろ!」


「……」


 メーターが上がった~!


「お客さん、着きました」






「あんたわざと走ったでしょ、ドライブレコーダーに証拠が残ってるからね」

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