第44話 バナナカステラ

 こんばんは。

 近頃ご無沙汰の私の大好物、バナナカステラの話です。


 バナナカステラというのは、バナナの形をしたカステラの中にバナナ風味の白いあんこが入っているやつです。

 スーパーでもお手軽に買えちゃう美味しいカステラ。

 子どもの頃から大好きなのですが、最近箱で大人買いをしてしまいました。

 毎日バナナカステラのある生活。なんて素敵。

 体重の事はあえて忘れてしまいましょう。

 ちょっと小腹が減ったら、バナナカステラがあるやん!

 もうパラダイスですよ。


 でも、ご注意下さい。

 メーカーによって、味わいが違うのです。

 某有名メーカーのが普通に買えてお味も美味しいけれど、まあ、添加物などなど、入っているんやろうなあ、と思われる味です。


 大人買いしたバナナカステラ。聞いたことのないメーカーやけど、と思いつつ買ってみたものの、お値段相応。無難な感じです。

 しかし、薄い……。

 ペタンこやけど、まあ、カステラはしっとりしているし、あんこもペタンこながら、ちゃんと入っているし、まあ、良しとしようか。


 でも、前に買ったやつは、カスカスのカステラにあんこもべったりしていて、なんじゃこりゃ、っていう奴でした。お楽しみを妨害された失望を晴らすには、王道のバナナカステラを食すしか方法はありません。


 王道のバナナカステラ。それは買いたくても今は買えない幻のカステラ。

 あれは京都駅前に近鉄デパートがあった頃のお話。

 地下の入口で人の良さそうなおじちゃんがバナナカステラを売っていたのです。

 しかも、それは和菓子屋さん(たぶん)。

 大きくていい香りのするバナナカステラ。でも名前はバナナカステラじゃあないのです。

 釣鐘堂さんという和菓子屋さん(推測)が売ってらっしゃったので、釣鐘饅頭だったと記憶しておりますが、すみません、記憶が曖昧で名前は違うかも。

 その釣鐘饅頭(仮)が美味しいのなんのって!


 しっとり大きなカステラにたっぷりのほわほわした白あん。

 最高や~っと頬が緩みっぱなしになるのは確実です。

 今は近鉄がヨドバシカメラになり、買うことができなくなってしまいましたが、今もどこかで売ってらっしゃるのでしょうか。

 もう一度食べたい、バナナカステラ、もとい、釣鐘饅頭(仮)。

 大人買いしたバナナカステラも霞むその味と大きさを思い出しながら、やっぱり一本食べようとバナナカステラの箱を開けたなら、目が点。

 ない。

 箱にいっぱい入ってたのに。

 家族に知らないうちに食べられた迂闊な私のバナナカステラなのでした。


 

 

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