第13話 歯ブラシの話

 最近、めっちゃ歯ブラシに凝ってます。

 三本違う種類を使ってるのですが、もっと欲しい。

 かと言って、ゆっくり磨いている時間がないので、これぞ!の一本をメインに使っています。いわゆるセンター歯ブラシ。

 このセンターを巡って、結構な戦いがあるのですが、それはまた別のお話。

 総選挙しても票が入るのは三本のうちの一本ですけど、その三本に選ばれるのが大変なのですよ。


 さて、私のあご、自分で言うのもなんですが、立派なのです。ええ、頭もでっかいです。で、口も大きいかと思いきや、口は小さい。開きにくいものですから、歯ブラシはコンパクトヘッドでないと綺麗に磨けません。おまけに毎日大量のコーヒーを飲むので、ステイン対策も練らねば、とお口の健康には気を使っているわけです。


 ならば歯医者さんに定期検診に行け!と思ってはいるのですけど、ヘタレなので、歯医者は怖い。

 よし、歯磨き頑張ろう!ってことになるわけですね。

 ここで言い訳がましく、歯間ブラシは鳥肌たつので使いたくないので、じゃあ、もう歯ブラシに凝りましょう、という結論に至るわけです。


 ほな、さぞ高い歯ブラシ使っているのか?

 否、そんなお金はない。普通で十分。

 あ、でも、最近の歯ブラシ高くありません?性能も物価も上がっていると思いますが、選ぶとき悩みます。まあ、買うものは決まっていますが、新人が出て来たら試したくなるというもの。浮気じゃありませんよ、断じて。


 実は、昔から試したくても試せない高嶺の花がいるのです。

 その方は、ヨドバシカメラで見たブラウンの電動歯ブラシ。

 歯ブラシなのに、電動って。

 手動しかつこたことない私にとって、相手は魔物。

 値段もさることながら、神々しいまでにひな壇(?)に鎮座されるお姿に恐れをなしたのです。


 ええ感じやろか。電動。

 買って失敗したら嫌やし、うちの花形三人も出番取られたら悲しむやろし、ここは昔ながらの選りすぐりのままでいこう。

 そう決めたのでした。


 その花形三人の紹介を。え、いらん?まあ、そう言わずに。

 絶妙な角度と堅さで綺麗な歯にしてくれるセンターの丸形ちゃん。

 繊細な細さの仕上げ磨き担当、左近の桜的ほっそり三角ちゃん。

 そして、コンパクトヘッド最強のリーチを誇る右近の橘的四角ちゃん。


 どうよ、このネーミングセンスは。

 これだけで、どこの製品か当てられる人、凄いです。

 ドラッグストアにもスーパーにも並んでいる製品ですが、主にホームセンターが安いので、そっちで買います。


 歯ブラシのコーナーの種類ったら、かなりの数ですよね。

 選ぶ基準は二つ。先程言っていたコンパクトヘッドであるか。そして毛並みが均一であるか。

 段々になっているやつは合わないんですよね。

 綺麗に磨けない。普通なら。


 最近、センターになった丸形ちゃんの毛並みは、なんと段々なのです。最初は買わんとこっかな、と思ってたのに、妙に心惹かれてしまって、使ってみると意外に良い。

 信念を曲げてでも、やらなくちゃいけないことがあるんだ!と実感。


 歯ブラシごとき、されど歯ブラシ。

 これからも、歯ブラシセンター選挙は続くのです。


 

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