第3話 バナナ

 今夜はバナナの話です。

 私、バナナが大好きだったのです。はい、過去形です。

 今も好きは好きやけど、そう頻繁ひんぱんに食べないかな。


 子供の頃は朝一本食べて、学校から帰ってバナナジュースにして、ヨーグルトに入れてバナナ食べて、冷凍してんの食べて、ホットケーキミックスにバナナ入れて焼く、って感じでバナナ消費率が高かったです。

 なぜかお菓子はあかんけど、バナナなら買ってくれていた母がいたからできたことですね。


 最近、バナナの大きな房って売ってないですよね。

 値段も高いし。

 こじんまりした袋が高値で売られている今日この頃。

 昔、百円で大きい房がわんさか売られていたような記憶があるんですけど、幻想?本当は高かったんかな。子どもやったので、記憶が曖昧あいまい


 ところで、子どもの頃は、バナナはジュクジュクに限るって思ってました。

 黒い斑点のできたやつ。

 熟しすぎてドロッとなってても、おいしく頂いてたなあ。

 しかし、今は青くないとダメやなあ。

 硬くて、青臭くて、ぷりぷりの…。

 熟女専門から若手趣味へ転向です。熟女っていうより、腐りかけだったかも。なんか書いてて悲しくなってきましたよ。

 いい年頃のおばちゃんになってしまって、ピチピチがいいとか言っちゃう自分が切ない。

 いや、バナナの話ですから。


 そんな可愛くて黄色い奴らは、種類が多くて名前も色々。

 いつもと違うの買って、食べたら、「あ、これ違う」って思うこともしばしば。あれは何でしょうね。この人好きかも、って思って付き合ったら、なんか思ってた人と違う?別れる?って思うのと一緒かな。


 いや、そんな浅はかなお付き合いはしてきてませんけどね。そもそも、恋愛経験ほとんどないから。こんなところで自白…。

 いや、バナナの話です。


 浮気はしょっちゅうやけど、一本気ですよ、私。いつもはお手頃価格の、青い袋のしか食べません。


 でも、こないだ正気を失って、浮気をしたのです。まあ、浮気も文化のうち?

 赤いバックに金色の文字。立派な体躯の黄色い奴。

 これはイケるかも、と買ったわけですよ。

 残念。お姫さまのような美女の中身は異国情緒漂うムチムチのマッチョ兄さんやった、って感じです。

 あの味を何と表現したら良いやら。

 ねっとり系は好きで食べますけど、ねっとりしてんのに、なんか違う味する。

 名前わからへんけど、あいつは新手の旋風を巻き起こす異端児なんでしょうな。私は古女房でええですよ、ほんと。


 そういや、モンキーってまだ売ってます?

 小さいバナナ。

 あれも昔は好きやったけど、何年か前に貰って食べたら、衝撃でした。

 憧れのあの人は、こんな人じゃない!

 そういう感覚です。


 味覚って変わるってことですね。

 そりゃ、色んなお菓子が溢れて、外国の物もいっぱい入って来て、選択肢も増えたし、昔のままではいられないですよね。

 そうや、バナナ売り場も縮小されてんのかもしれませんね。


 あなたのお好きなバナナ、色々見つけて下さいね。


 

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