あなたはキミの夢を見るか

九十九 千尋

第零話『星々はキミの夢を見なかった』

星々の会合・後編



 その言葉を受けて、あらゆる意識体に動揺が生じる。

 意識しかない彼らが、意識を振るわせて、怒り、驚き、期待し、注目する。

 その言葉を受けなかった者も意識を引っ張られる。


 だが、それこそが目的。


「ボクは『面白い』と思っているよ。そういう報告を、ボクは“ボクら”へ上げる」


 そして、その個体は、みなに言う。


「さあさあ! 人類は生き残れるのか滅ぼされるのか、物語のページをめくって自分で読み進めねば話は見えない! 読むか、読まざるか、二択がキミに迫っている!」


 もし、神々星々などというおこがましい存在が居るのなら、彼はなぜ人類を助けないのか……簡単だ。



 こんな面白いもの。壊すなんてもったいない。



「さて、どうやら、今すぐ滅ぼそうって“個体”は少なくなったみたいだね。じゃあ、あとは“各個体”次第だ……」









「キミは、読んでみるかい?」


 





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る