学んでいるというよりは

クラスⅡの7.62×35mm弾では有効的な打撃を与えるには必要な弾数が多くなりすぎる。

クラスⅢの50口径亜音速火器でも劇的には変わらないだろう。

補充と使用許可の申請は送っているが、本部は何一つ取り合ってはくれない。

彼らにはやはり実験の結果しか興味がないようだ。

我々が全滅したら何かと理由をつけて、また何も知らないエサを放り込むだけに違いない。


考えうる限りでヤツらを倒すには、

爆発物、化学薬品、あるいは電気、火が確実か。

とはいえ殺しきるまで悠長に電流を流し続けたり、燃やし続けるなどしてはいられない。

ヤツらにそんな隙などもう存在しない。

以前の鈍重な肉の塊ではなくなったからだ。


ヤツらは孵ったのだ。

そして学んでいる。

いや、学んでいるというよりは、すでに持っていた知識を活用できる身体を手に入れつつある。

これだけなら、まだ我々の優位性は保たれていただろうが、合成人間の体を渡してしまったのは痛い。

ヤツらにとって合成人間は未知の存在でしかなかったが、いまは違う。


なんとかしなければ、

このままでは全員死ぬ程度では済まなくなる。

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