第26話 自称覇王

場面は変わり


進め、進め、金チュウチュウ!

進め、進め、金チュウチュウ!

妙な歌詞を口ずさみながら、台形山に向かう大軍団がいた。

ネズミ、モルモット、イタチ、ウサギ、犬、ネコ、サル、チンパンジー、ヤギ、ヒツジ、馬、アヒル、ニワトリ、オウム、その他たくさんの種類の動物達の一群だ。


その先頭の大きな角のビッグホーンの背中にデップリとふんぞり返っているゴールデンハムスターの金チュウチュウの姿が見える。

皆が苦しそうに進んでいるが、金チュウチュウはご機嫌である。


ズンズン進む軍団の金チュウチュウの元にカラスがやってきた。

「金チュウチュウ様、西の沼地に逃げていたヌートリア達を、ワニのクロコ達がしとめました。」

金チュウチュウは、にんまりした。

「よくやった!ワニ達には充分な褒美を取らせろ。

残りは、根性の悪いキツネとタヌキと口の悪いリス二匹だけだな。

キツネとタヌキは見つかったか?」

カラスは背筋を伸ばして答える。

「いえ、まだどこにも痕跡が発見されません。恐らく、事故か何かで何処かで亡くなっているのではないかと思われます。」

「ばかもーーーーん!あいつらはただのキツネとタヌキではない。絶対生きている。絶対に油断するな。草の根分けてでも探し出せ!」

「御意!」

そう言い残して、カラスは去っていった。


するとコウモリが金チュウチュウのところにやってきた。

「金チュウチュウ様、赤目のイタチと野犬達は、リス殺害に失敗しました。」

「何!何故失敗したのだ!」

金チュウチュウは怒ってコウモリをにらみつけた。

「襲撃は作戦通りに進んでいたのですが、、、」

コウモリは戦いの一連の流れを説明した。

「馬鹿者どもが・・・今どこにいる?」

金チュウチュウは歯をギシギシ鳴らしている。

コウモリは怯えながら答える。

「あの山の麓に野犬と赤目のイタチが休憩しています。」

「なんだと!失敗した上に、のんびり休憩しているとは何事だ!

絶対に許してはならん!者共!今日はあの山の麓まで行くぞ!進めー!」

苦しそうな行軍は続く。

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