第24話 敵?味方?

一方メラ・メイチ・カイト達は巧みに木の柵を利用して、野犬達(ブラックチーム)から逃げ回っていた。


しかし、木の柵の足元も野犬が通るには十分な高さがあって、野犬達を引き離すことも出来ず、こう着状態となっている。

早くドトウが助けに来てくれないと体力的にもたない。


もし、ドトウが負けてしまったりしたら、待ち伏せしていた野犬達(ホワイトチーム)まで合流されたらひとたまりもない。


しかし、今の彼らにはドトウを信じて、体力の続く限り逃げる以外の道はなかった。


カイトは時々ドトウの行った方を確認するが、争っている気配はない。

かといって、ドトウがやってくる気配もなく、

といっても、野犬達がやってくる気配もない。


完全に沈黙している。


だが、彼らを追いかけて来ている野犬達が次から次へとジャンプしてくるので移動しながらかわすしかない。


メラは身軽に柵の上の段下の段を利用しながらかわしているが、メイチの動きに疲れが見えてきた。


やばい!このままではメイチがやられてしまう。


野犬達も動きが遅くなってきているメイチに狙いを集中し始めた。


メラとカイトは野犬達の目をくらませるためにすぐ近くを通り過ぎたりするが、

メイチがバランスを崩した一瞬に野犬が鼻でメイチを弾き飛ばした。


「メイチー!」メラが叫んだ。


メイチは宙を舞い、芝生の上に叩きつけられ気を失った。

メイチに一斉に群がる野犬達。


「こいつはメイチと言うのか。」野犬のリーダーが振り向いて言った。

「こいつを助けて欲しければお前が身代わりになれ。」

「私が行けばメイチを助けてくれるの?」

「当然だ、お前がくれば、こいつの命は一生保証してやる。」


カイトは思った。どこかで聞いたセリフだ!


しかし、メラは前に進みそうになっている。

行っちゃいけない!どう考えても騙しだろ!


カイトは、勇気をふりしぼって言った。


「じゃぁ、僕が代わりに・・・・」


メラが目をまん丸にして、見ている。


野犬達も目をまん丸にしている。


野犬達は大笑いし始めた。


「お前は、ターゲットじゃないんだよ。バーカ」

「最初っからウロチョロ目障りだったけど、お前は追いかけられていないんだよ、バーカ」

「狙われてない奴が、身代わりになろうって、バカじゃない」


バーカ、バーカ、バカバカ、バーカバーカ、バカバカ


カイトは一生分バカと言われてしまった。


「人をバカバカ言うな!バカという奴がバカだ!」

バッカバッカバッカバッカ

「もう、いい加減に・・・・・」カイトが言いかけた時に目が点になった。


バッカバッカ音を立てながら、巨大な馬が駆けてくる。


栗色の身体、毛の長い太い脚、額から鼻にかけて白い線が入っている馬だ。


馬は野犬達の目の前に立ち、ぶふーんと猛烈な鼻息を吹きかけた。


でかい。あまりにもでかい。


野犬達は完全にビビっている。

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