俺ときの娘の遺産相続

おぎおぎそ

序章

プロローグ 「ちょっと洒落たこと言ってみたかった」 

 「常識」や「日常」という言葉が神秘を覆い隠している、なんてことは良くある話だと思う。


 例えば、毎朝軽い挨拶を交わすお隣さんは実は凄腕のアサシンかもしれない。例えば、毎日通っている学校には埋蔵金が埋まっているかもしれない。例えば、毎晩とぼとぼ歩く夜道は異世界への扉かもしれない。


 そう考えるとどうだろう。一つ、また一つとカレンダーにバツ印が付いていくのが何だか惜しく感じられないだろうか。子供の頃、夏休みが来るたびに感じたワクワクがそこにはないだろうか。


 でもまあ、そんな少年の妄想のような出来事は、往々にして突然にやってくるものだから、俺たちはいつの間にか宝探しをやめてしまう。


 ……ということに最近気づかされたので、その話をしようと思う。


 常識外れで、非日常で、神秘的な。

 これは、そんなお話。

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