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  • 9への応援コメント

    私は偏屈なものですから……正直な話をさせてもらうんですけど、これって別作品を読まないと腑に落ちない作品群なんですかね?

    私自身が行間を読むのが下手ってのもあるとは思うんですが、全部読んでもイマイチよくわからないというか……

    『あの人』を読んだ時にも同じ様に感じたんですけれど、いまいち捉えどころがないといいますか、結局何を伝えたいのかがイマイチわからなくて……。
    (人文ってそういうジャンルの物語もあるにはあるんですけどね

    私の個人的な考えとしては、もう少しオチが分かりやすい方が良いのかなぁと思ったりはします。

    結局のところ、分からなくて伝わらないとなると、その先の評価に行きつくことができない……ってことになって、それは面白さが損なわれるってことでもあり、せっかくの物語なのに勿体ないなぁと素直に思う訳です。

    変な感想ですみません。
    気に触りましたら削除しちゃってください!

    作者からの返信

    コメントありがとうございます。

    特にシリーズを意識していたわけじゃないんですが、たまたま同時期に書いた作品でも同じようなことをやってるので、それを読めばわたしの癖というか主題みたいなものがわかるかもしれない、という感じです。つまるところメタ読みですね。直接的なヒントはありません。なので、わからなくて当然だと思います。

    たぶんあまり一般的な趣味ではないのですが、わたしが個人的に「よくわからないもの」が好きっていうのがあるんですよね。氷山理論とか、朦朧法とか、そうした手法の信奉者なんです。この話を書いたのは5年前なのであんまり覚えてないんですけど、たぶんそういうことを意識してたんだと思います。たぶん。特にホラーはこういう手法と相性がいいですしね。

    だから、プロフィールの「ミステリ読み」っていうのはひどいミスリードで(笑)、実のところわたしの志向性は「アンチミステリ」なんです。尤も、アンチミステリのおもしろさがわかるのはミステリ読みであればこそとも思うのですが。

    これはある程度確信を持って言うのですが、作者が「これがオチなんだよ」と思い切って提示すれば、意味がわからなくても――というか、意味がわからないからこそ楽しんでもらえるのではないかなあ、と。わたしが好きな作家、麻耶雄嵩はしばしばそういう手を使いますし、黒沢清、ミヒャエル・ハネケといった映像作家も同様ですね。コズミック・ホラーもそういうところがあると聞きます。

    別に、これは行間を読めとか考察しろってことではなく、「意味がわからないけど作者には何らかの確信があるらしい」という感覚を楽しんでほしいんです。もちろん、ラヴクラフトが実はきちんとクトゥルフの世界観を作り込んでいたように、考察したときちゃんと意味がわかるように考えてはいるんですけど、それ自体はあんまり重要じゃないんです。断じて、文学的なものを目指しているわけではないし、再読を強いているわけでもない。重要なのは、書き手の側に確信があること。その結果として生まれる「ありありとした異物感」であり、それをエンタメに昇華することなんです。

    言うなれば、手品みたいなもので、タネはわからないけど不思議なことが起こる。その感覚を楽しんでほしいんです。でも、書き手の側に確信がないと、小説っていうのは何でもありになってしまう。そうなると魔法と同じで、不思議なことが起こってもおもしろくない(もちろん、作者自身何も考えてなくても成立する作例はあります)。

    だからこそ、手品がきちんと物理法則に従うように、書き手はきちんと意味や設定を考えて書かなければならない。だけど、タネを明かすことは重要じゃないしむしろ興覚めになる。そういう感じですね。

    余談ですけど、『革命機ヴァルヴレイヴ』なんかはキャラクター描写においてこのタイプの作劇をやったのでそれはもう世評が悪い(苦笑)。近年で最も過小評価されている作品の1つだと思います(ちなみに他に過小評価だなと思ってるのが『アルドノア・ゼロ』、『放課後のプレアデス』。いずれにしてもわかりづらいですね)。

    なので、わかりやすさが重要というのもわかるんです。受けようと思ったら、まどマギみたいにローコンテクストなのがいいのだとも(あの作品に行間がないということではないですが、本筋の説明を行間に頼らない方がいい)。

    ただ、それでも、わたしの方向性として「わかりやすくする」って選択はたぶんなくて、あくまで、わからないことをわからないままおもしろがってもらうために工夫を凝らすしかないよなあ、と。

    尤も、この話はその最初期の段階なので、あんまり戦略がないまま書いちゃったんですけど。ホラーならこういうオチもありなんじゃないかな、くらいの認識ですね。実際、ホラーとしてはありがちで無個性な話になってしまったなあと反省しています。

    あと、「あの人」に関しては明確にシリーズを意識していたので通して読まないと全体像はわかりづらいかもしれません。ただ、やっぱりそれもあんまり重要じゃなくて……これも氷山理論といえば氷山理論ですね。

    一応、あの話単体でもわかるように書いてるんですけど、テーマ性とかメッセージ性が前景化するのが嫌なのでわかりづらくなってるのかなあ、とも。心理描写も極力したくない方ですし。それでも、自分の中では比較的わかりやすい話のはずなので、あれをわからないと言われたら反省するしかないんですが。

    編集済