第7話 異世界と言えばバトルでしょ

鉱山で働く事、2週間。

早くも飽きた。

悪くはないんだよね。でも異世界に来たのに作業的な繰り返しで、お給料を貰うって、前世と同じやん。とか思い始めたら、急速に飽きました。


あんなに平和でノンビリに憧れていたのにスリルを求めるとは、何て無い物ねだりなんだろう。

ただのワガママとも言う。

でも、この時はまだ、闘いの中に身を置こうとは思っていなかった。


『きゃーーー。』

少し離れた場所から悲鳴が聞こえた。

周りの人たちも騒ぎ始め、悲鳴が聞こえた方へ向かっている。

僕も、その波に乗って行ってみる事にした。

そして見た光景は


『若い女は、拉致れ!男は不要だ。抵抗するなら斬り捨てろ!』

怒号が飛び交う。


大きな街にも拘わらず、野盗が現れたらしい。

騎士様たちの入れ替わり時期を狙われたんだろう。

着任早々の騒ぎみたいで、まだ騎士様たちは到着してないし。

血生臭い事は、少ないんじゃなかったのかよ。とか思っていると、目の前の男性から血が舞う。


「おっちゃん!」

斬られた男性は、毎朝の様に会って挨拶を交わしていた散歩するおっちゃんだった。名前は知らない。

見知った顔が事件に巻き込まれるとか、こんな気持ちなんだな。


我に戻ると血にまみれて、僕は立っていた。

僕の周りには、呻き声を上げる野盗。みんな倒れている。名かには手足がない者もいた。

その外側を囲む様にして、立っているのは街の人たち。無言で僕を見詰めている。

あぁ、そうか。金は力なりを使って身体強化した上で、剣で攻撃したわ。

剣を振るうと言う事は、命を奪うって事。いくら相手が野盗とは言え、やり過ぎたな。みんな気持ち悪がるだろ。


『ほぅ、みんな生きては、いるのか?野盗ども相手に手加減したのか。甘い奴でよかったな、クソ野郎ども。俺なら皆殺しだったぞ。』

ズカズカと僕に近付いてきた立派な鎧の人。

新しく配置された騎士様だな。


『捕らえろ!手加減されて、生き永らえたんだ。回復させてやれ!』

命令を下すと、他の騎士様たちが野盗たちを縛り上げて連れていった。

怒濤の展開だな。返り血が乾いてきたし、気持ち悪いんですけど。


『ありがとう。』

いつの間にか傍に来ていたお婆さんにお礼を言われた。何の事だか分からない。


『斬られたのほ、私の息子なんだよ。アンタのおかげで命は助かった。本当にありがとう。』

僕の血塗れの手を握って感謝を伝えてくれた。

他の人たちからも感謝の言葉もらう。

もっと、怖がられたり嫌われたりすると思ってたので、ちょっと予想外です。

人助けになったみたいで、よかった。

ただ、出費が酷い。

一気に2Gも使ってしまった。

1日の稼ぎが・・・・


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