べらんめえ！ この小説読んでから言えってんだい！

第4話 【王国物語】合間妹子様

　今回ご紹介するの、ファンタジー世界が舞台の王宮もの。

　貴族たちの恋愛模様を描いた作品です。

　恋愛とユーモアのマリアージュ、合間さんの文章力に注目です。

【王国物語１　この世界の何処かに】

　離れていても、そして、相手のことをまだ知らなくても繋がっている、まさに運命の二人が主人公です。

　身分の壁を越え、強く求めあう二人の姿に胸を打たれるお話です。

　個人的には、ヒロインが伝書用に使っているハトもお気に入り。

　https://kakuyomu.jp/works/1177354054885314768

【王国物語２　貴方の隣に立つために】

　第一部のヒロイン、ビアンカの親友アメリが登場します。お相手は好青年リュック。

　密かに思い合っているのに進展しない、もどかしい二人の関係に、ビアンカが一肌脱ぎます。

　https://kakuyomu.jp/works/1177354054885350127

【王国物語３　奥さまは変幻自在】

　第二部で登場するリュックとは剣のライバルである、ジェレミー青年が登場します。上流貴族であり、王妃の弟という身分の彼は、女性に追いかけまわされるのに嫌気がさし、貧乏侯爵家の娘アナと偽装結婚します。

　高い魔力を持つアナは、青年ニッキーに姿を変え、酒場でアルバイトします。それを見初めるジェレミー。

　そのジェレミーに惹かれ始めるアナ。二人の恋の行方は？

　ぐっと大人っぽいお話になっています。

　https://kakuyomu.jp/works/1177354054885732796　

【王国物語４　開かぬ蕾に積もる雪　】

　第三部でアナに力を貸すことになるアントワーヌがまだ少年だった頃、彼は学園の上級生であるフロレンスと恋に落ちます。彼女がラングロワ侯爵と結婚し子供をもうけても、その恋心は揺るがない。

　身分は低いながら、文官として着実に力を着けて行くアントワーヌ。彼はフロレンスの夫が後ろ暗い仕事に手を染めていることに気づく。

　第一部からの登場人物が脇役を固め、フロレンスとアントワーヌの純愛を支えます。

　四部作でもっとも難易度が高いだろう恋愛は、その実を結ぶ時が来るのか？　

　https://kakuyomu.jp/works/1177354054886249330

【王国物語スピンオフ　王子と私のせめぎ合い】

　四部作を読んだ方なら気になって仕方がない、ミラ王妃のお話。彼女は第三部の主人公ジェレミー、第四部の主人公フロレンスの姉でもあります。天真爛漫に育った侯爵家の娘ミラは、ある夜、舞踏会で一人の青年ゲイブと出会うことになります。

　名前も覚えず別かれた彼は、なんと王太子でした。

　追いかけるゲイブ、逃げるミラ。二人の関係が少しずつ変わっていきます。

　読んだ方は、二転三転する恋の行方にハラハラドキドキするとともに、随所に盛りこまれたユーモアで大いに笑える作品です。

　主人公ミラがお気に入りなこともあって、五作の中で私が一番好きな作品です。

　https://kakuyomu.jp/works/1177354054887433063

　一つ一つの物語が相互に関係し、重なっていく。それによって物語に幅と奥行きが出ていく。こうしてその世界がよりリアルなものとなり、説得力を持つ。物語を織り上げていく手法、見事だと思います。

　同じ場面を、異なる登場人物の視点から眺めることで、より深く彼らの心情に触れられるのも魅力です。

　読めば読むほどその魅力が増す合間さんの作品。あなたもその世界を訪れてみませんか？