第19話 医者

数個だけの問診をして「これだけじゃ判断できませんがADHDっぽいのでお薬だしますね」と、その医者は言った。


私が最初に受診したクリニックだった。

まともな問診はなし。

こちらが話しているときにティッシュの箱を手弄りして、

薬を増やしても改善しないから他に手はありませんかと尋ねても、

「薬以外に暴力的な行為を抑えることってできますか?」

と鼻で笑った。


今にして思えば、ハズレ病院だったのだろう。


そうして次に訪れた病院は長い問診や血液検査など、もう少しまともそうなところだった。

しかしその病院は小規模で、私のように実害がでてしまっている患者は手に余るようになった。

入院を考えていても「紹介状は書きます」しか言われず途方に暮れ、病院まで付き添ってくれた恋人を殴った。


そうして措置入院した病院は規模が少し大きい。

外来でも話を一応聴いてくれるし、ケースワーカーもいる。

通いづらいところにあるのが難点だ。それがストレスにもなる。

先生と相談した結果、間隔を空けてみることになった。

とりあえず4週間空けて様子をみているところだ。


医者にも色々いる。

特に精神科にかかわるものは、特別な機材を用意する必要がないため当たり外れが多いらしい。

今の病院がアタリであってほしいと切に願う。

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