第9話 家計

うちの家計は恋人が支えている。

しかしアルバイトの身であるがゆえに、支え切れていないのが現状だ。


正社員になればいいじゃないか。

アルバイトも掛け持ちすればいいじゃないか。


とか、そんな声が聞こえてきそうだ。

実際、彼自身そういうことは考えたことはあるだろう。

床に置かれた求人誌が物語っている。


それでもなおアルバイトに甘んじているのは、やはり大変なのはツライからか。

今の現状でも体がしんどそうなのに、掛け持ちさせるわけにはいけない。

せめて今の仕事で正社員登用してくれたらいいのだが、どうやら厳しいらしい。


家計はギリギリだ。

それでもほしいものはある。

お金がほしい、そしてほしいものを買いたい。


ただ、そのために恋人が犠牲になるのは耐えられない。

恋人あっての私なのだから。

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