第34話 贅沢

「生きたい」と言って死ぬ人がいる。

 もっと生きたい、それは切実な心の叫びだし、本能でもある。


 じゃあ「死にたい」と言って生きてる私は贅沢なのか?


 私は「生きたい」も「死にたい」も同じ意味だと思っている。


 どちらにせよ、生きているうちにしか思えないことなのだ。

 もっと生きたい

 もう死にたい


 そこに差など在りはしない。

 ただ今を受け止められないだけだ。


 もっと生きたい…その思いの方が贅沢なようにも思う。

 もう死にたい…この思いは贅沢なのだろうか?


 それとも私も死を宣告されれば、生きたいと思うのだろうか…

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