第27話 学校と会社の違い

私は変わったというより困った生徒だったと思う。

数学ではx+x=2xを理解するのに1年以上掛かった。

美術では、画用紙を2次元として使わず、丸めて伸ばして3次元として使ったりした。

小学校では怒られてばかりいた。

叩かれ、正座させられ、授業を受けさせてもらえなかった。


中学に入り、当然のように落ちこぼれたのだが、数学と美術の先生だけは、私を面白がり見捨てなかった。

おかげで、3年生になる頃、私は数学だけなら学年でも上位にいたのだ。

他は壊滅的だったが…


でもそれは学校という区域だから出来たこと。

会社、いや社会では通用しない。


やはりルールは絶対であり、正しければ何を言ってもいいなどということは無く、入社式のスーツの色まで指定されるのが会社という場所なのだ。

スーツの色など、もちろん守らなかったが…

そういう人間の居ていい場所なんて組織の中には無いと知るのに20年掛かった。


普通でいられることが、普通に求められる、それが会社という場所だ。

俺が会社を変えるんだなどと思っている人がいたら、それは勘違いだと言いたい。


それは、企業するか、芸術家を目指すべきだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る