第10話 電話が怖くなった

 会社員時代には、何とも思わなかった。

 携帯の着信音が今は怖い。

 鳴ると鼓動が早くなる、そして不安感が襲う。

 誰からのということはない。

 ただ怖いのだ。


 無職になってから電話は、僕に良い知らせを運んでくれるツールではなくなったような気がする。

 大概、悪い知らせを伝えてくる。

 他人の声が自分に向けられることが怖いとも思う。


 他人と関わることから逃げるような日が続いたからなのだろうか?

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