歪に屈折した現代社会を描くリアリティはお見事

まさに今、この現代社会に生きる人間だから書けたといえる傑作です。

プリズムのタイトル通り、まさに多面体的な個性をもつ主人公はしたたかで魅力的。自称毒舌の親友より、はるかに主人公の方が捻くれた性格をしていますが、そこもまた主人公の存在感を際立たせていました。親友の子よりも、主人公の方が実際身近にいたら怖いですね笑。
メッセージ性も非常に強いですが、シンプルで分かりやすく、胸にガツンとくる感じ。主題をストーリーラインに乗せるのが抜群に上手い作者様だなと感じました。
メインキャラクターが三人しかいないのも、三稜鏡(プリズム)を思わせる配慮で、考え込まれているなといった印象です。

このSNS時代を生きる今、ぜひ読んで欲しい作品です。本当に面白かったです。