3.心に中学二年生がいる。


  

 お恥ずかしながら私は昔リアル厨二病でした。


 何をきっかけに発症したのかは不明ですが、当時は自分は他人にはない特別な何かを持っているミステリアスかっこいい系の美系キャラだと本気で思っていました。厨二時代の思い出を語り始めればそれだけで短編が書けそうなアイタタタなこと、いっぱいしました。


(実際は美形でもなんでもない、ただの内気なBMI33のオタクだったんですが……。)


 授業中窓から乱入してきたテロリストを右腕に宿りし力で殲滅したりとか、友人が魔物に襲われあわや!というところで突然異能力に覚醒し「クラスのみんなには、内緒だよ! 」みたいにやったりとかいう空想を毎日のように繰り返してはニヤニヤ。


 オリキャラの設定を考えては、下手くそなイラスト付きでノートに書き留めてニヤニヤ。


 こういうのは大人になってから「あの時はバカだったー! 」と枕に顔をうずめてバタバタするもんなんでしょうが、アラサーと呼ばれる歳になっても全く変わらずに同じことをしています。むしろあの頃よりも悪化しているかもしれません。


 とりとめもない空想が投稿サイトの普及で小説という形を得て、画力不足で片目が前髪や眼帯で隠れていたオリキャラがアバター作成アプリなんかで簡単にイメージ通りの姿で現れてくれる。


 誰もが自由に作品を発表できることで、壮大な空想を一人で抱え込まなくていい。良い時代になったものですよね。

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