第2話

遠くに煌めく青い星。

僕の生まれた母なる地球。

もうずっと遠くになってしまった。周りには彼女を見守る幾つもの衛星があった。


そんな地球を見ながら、僕は持ってきた食糧の一袋を開ける。ふわりふわりと食べ物が空を舞って、なかなか落ち着いて食事が出来ない。

飛んでいく卵焼きを追いかけてようやっと口へ入れた。そうして君への手紙を書く。君とサヨナラをしてから、ずっと毎日書き溜めていたんだ。君と会う時に渡す為に。


僕は今火星の近くまで来た。凍りついた惑星。戦いの神様マルス。地球と双子星なのはこちらじゃなくて金星だったか、なんて想いを馳せながら星を見る。


ふと、見覚えのあるものを見かけてじっと見つめる。

あれは、きっと君が大事にしていたものだ。


僕は咄嗟にロケットを止めて、整頓された荷物から硝子のボトルを取り出した。僕も宇宙服を着て、宇宙の外へと繰り出して、そうして"それ"を取りに行く。

まったく、君は忘れん坊なんだから。ボトルに入れて、コルクで栓をした。これで君にちゃんと渡せるね。


ばたばたしながらロケットに戻って、ボトルを大切にバッグにしまう。

そうしてまた、ロケットは君を探しに出発するんだ。




君に会える日まで、XXX日。

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