202106レビュー『「売り方」のオンラインシフト デジタル起点でリアルでも勝つ!』(2021)

 https://www.shoeisha.co.jp/book/detail/9784798170923


 タイトル 「売り方」のオンラインシフト デジタル起点でリアルでも勝つ!

 著者 玉井博久

 出版社 翔泳社

 発行 2021年


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 この本は、書き方の本ではなく、マーケティングの分野の本です。なので、どっちかといえばエンタメを書いている人には興味のあることが書いてあるかなと思います。


 マーケティングの世界では4Pという概念が常識としてあります。実はITパスポート試験(国家資格)でも、

 https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/about/range.html

 用語としてあるので、そっちの世界の人は試験問題を思い出したりしてくれるといいかもしれない。


 この本では、特に近年、オフライン(対面)でモノを買ったりする行動がどんどんオンライン(ネット通販とか)にうつるなかで、これまでの基本の考えかたの4Pをすすめて「7P」という考え方をしていくとどうだろうか、というテーマで話が進みます。


 私はこの中では、存在意義をあらためて考えなおすところ、そして熱量を伝えるところはおもしろいな(興味深い)と思いました。存在意義は、この作品でないといけないものは何か? 熱量は、書いているものに想いをうちこめているか? 何年も前から基本ではありますが、不定期に見直したいです。


 もちろんこれや、本に書いていることをすべて実践したからといってすぐさま小説が注目されるわけではないんですけど、全くそういうのを見たことが無いというのであれば、ちょっと参考にしてもらえると、小技に使えるんじゃないかなと思います。購入者特典にワークシートもあるので、作品を客観的に見るのに使えそうです。


 そして、小説をカクヨムなどのサイトで執筆するにあたり、この本にあるような7Pは全部意識する必要はないです。なぜかというと、7P側で挙がっている「ページデコ」や「パーソナライズ」については、カクヨム側--小説投稿サイト側のUI(ユーザーインターフェース)や機能によって決まるからです。

 すでに、カクヨムのようなサイトの出現で、わたしたちは1からHTMLとかApacheとか勉強しなくても、テキストファイルさえなんとか打てれば、小説をみんなが見られる場所にアップロードすることができるようになりました。この時点でマーケティングでよくある「誰に露出するか」って点はクリアできています。今後カクヨムなどのサイトがどこをターゲットにするかとかは、運営側が考えることなんで、我々はあんまり気にしなくていいし、自分が想定する、自分が見せたい読者が集まるサイトを、自分で選べばいいのです。

 --これは書き手が本文の表記を意図的に変えたり(改行位置を10文字ごとにするとか)、タグや紹介文をいろいろ工夫して書き手の意図するターゲットを設定することを否定するものではないです。--



 あとこの本は本文中も巻末にも、参考文献がしっかり書いてあって、きっかけにしてほかの本を読むのに役立ちます。(ただしくどいけどマーケティングの世界でね)


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 蛇足というか。

 わたしは某えんとつの話(と売り方)はあまり好きじゃなかったので、読者特典のそれは見てないです。

 本文にそういう話が大量にあるというわけではなかったです。

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