第六章 オカン、死す( 仮 )

猛犬を腹いっぱいにくった俺達は、再びモンスターキャッスルを目指して歩き始めた。

「ゆ、勇者くん、ナレーションしてるところ悪いんだけど、私の町ではモンスターキャッスルのモンキャって呼んでるから」


「え?モンキャ、だなんて、陰キャみたいですわね、ホホホッ」


姫の甲高い笑い声が草むらに響く。


モンキャってなんなんだよおおおお!!!


アスカ「あ、洞窟です。新しい魔物に遭遇するかも知れません。」


アスカの察しの良さに感心しながら、俺達は洞窟に入った。


姫「なんだかジメジメしていますわ……早く出ましょう」

「早く出ましょうっつったって、どこまで続いてんのか俺には分からんぞ」

アスカ「はあ、これだから陰キャは困ります笑」


いや陰キャじゃねええよおおお!


しかも最後の"笑"ってなんだよ!俺の事馬鹿にし過ぎだろ!!


「ウヒョぉぉおおおお!!!」

異質な悲鳴を上げたのはオカンだった。


「ど、どうした!」

「こ、コウモリや!ウチの頭の上飛んで行った!」

「コウモリかよ!」


どこにでもおるわ!てかなんで猛犬は一発で倒したのにちっちゃいコウモリに怖がるんだよ!なんだよそのギャップ可愛いかよ!


師長「おばあちゃん、後ろは私がいるから大丈夫だよ」

おばあちゃんじゃねええ!オカンや!!


「あんら〜、白髪くんイケメンや〜」


オカンも色っぽい声をだすな!誘惑すな!しかも白髪ちゃう!銀髪うううう!あと師長だから!名前覚えて!?


とかいいながらも進んで行くと、大きな宝箱のような箱があった。


アスカ「なんでしょうかこれは」

姫「開けますわよ」

「え、いや、待て」


俺の声を聞かずして箱を開けた姫。そんな簡単に開くのかと思ったが、姫の怪力なら開くのだと納得した。


-ヒュオオオオオオオ

「ぎゃああああ!!!!」


黒い煙の中から出てきたのは魔物だった。


「これは死者の使いだ。私達に適う相手なのだろうか」

師長のその言葉に固唾をのんだが、戦わなければ!


俺は剣を取り出し死者の使いに3のダメージ!

アスカは薬草を使っていつぞやのオカンが踏んだ姫の足を回復させた!姫はHP全回復!(え、今?)

オカンが猛犬で見せたあの一撃を披露しようとするも!


-スカッ


「え」

なんと避けられてしまった!しかもその時に逆に死者の使いがオカンに懇親の一撃!オカン死亡!


「え」


「あたしがオカンの仇をとりますわ!」

姫が足蹴りを食らわせ会心の一撃!死者の使いを倒した!!


ここで20B(ブロンズの略、ブロンズはお金の単位)と薬草を手に入れた訳だが。


姫「オカンーーーーーー!!」

泣きながら叫んでいる姫の姿と、十字架マークの棺になったオカンの姿?があった。


姫「オカンの作った料理、とっても美味しかったですわ!これからは私達4人で頑張りますの!……」


……いや、生き返らせようや。


師長「この洞窟を抜けたらすぐに村があった気がする。多分。」

勇者「よし、じゃあまずはそこまで行こう!」

姫「死者の使いは美味しいのかしら……」


鼻をすすりながらご遺体を見て一言。


アスカ「多分、食べるところがないですよ」

姫「……あああああああああ!!!」


嘆くな!狭い洞窟によく響く!


オカンは生き返るから!死者の使い以外にも食える魔物はいるから!

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