第二章 これから

さて、これからの事を話し合おう

執務室にて

 ふー、やっと帰ってこられた・・・。

 いやー、まさか村を助けに行ったら国堕としをすることになるとは思わなったよ。はー、これからが大変だ。

 よし、もうひと踏ん張りだ。


 モモンガは、ガゼフ達一団にシークレット・グリーン・ハウスを幾つか使用して、彼らが休めるようにし、ガゼフと翌日に今後の事について話し合いを持つことを約束して、ゲートを使用し執務室に帰宅していた。

 現在、その執務室には執務机に備えられた椅子に腰を落としたモモンガと、その執務机の前にアルベドとデミウルゴスが居り、セバスは後ろに控え扉の所にもメイドが一人控えている状態だ。そして、ルベドは定位置になっている肋骨の内側にいる。


「さて、まずは・・・、私の我儘に合わせて良く行動してくれた。まずはありがとうと言っておこう。」

「モモンガ様、先も言いましたが、私たち僕はモモンガ様にお仕えする事こそが至上の喜び、どうかお気遣いなく。」

とは、デミウルゴスの言。

「それでもだデミウルゴスよ。今回様々なことが起こったからな、ほんと良く対処してくれた。これからも頼むぞ。」

「はっ、そこまでのお気持ち・・・、喜んでお受け取りいたします。」

 モモンガは話を切り替える為か、少し間を開け。

「だが、まだまだ今回カルネ村で起こったことは、未だ全てが解決していない、と、言うよりもだ。これからが大変だろう。それをこれから皆と話し合おうと思う。が、その前にこれを渡しておこう。クリエイト・グレーター・アイテム!」

 モモンガがそう言って魔法を使って作り出したのは、二つの黒い本であった。

「今回私が回収した魂たちの記憶から作成した、リ・エスティーゼ王国の情報と、スレイン法国の情報だ。王国の方は開拓村の住民という事もあり、それほど国の内情に迫る情報は無いが、スレイン法国の方は命令系統の下部構成員とはいえ、国に仕えている者たちの記憶だ、多少は今後の対応を決めるにあたって参考になるだろう。私はこれからカルネ村の生存者と話をしてくるので、その間この情報を読み込んでいてくれ。」

 そういって、モモンガはアルベドとデミウルゴスに二つの本を手渡す。

「はっ、」

 アルベドとデミウルゴスは数歩前に進みだし、これを受け取る。

「それとアルベドは、この情報の精査等を行い、ある程度確認が終わり次第ナザリックとグレンデラ内で情報を共有しておいてくれ。」

「畏まりました。モモンガ様。」

「では、私は彼女達と話をしてくる。ルベドこれから大事な話をしに行くから出てくれるかい?」

 モモンガは話を締め括ると、席を立ちルベドを伴ないゲストルームへと向かって行ったのだった。


 今デミウルゴスとアルベドの掌の上には、モモンガが手ずから生み出した本がある。

「あれほど精力的に動かれている中、これほどの情報もまとめ上げていたとは・・・、流石モモンガ様ですね。」

「えー、そうね、デミウルゴス。隣で見ていたけれど、そう言った素振りは一切外に漏らさずに行動していました。」

「ふむ、本当に私たちは幸運です。これほど仕事をしやすい環境を整えてくださる御方の下に居られるのですから。」

「では、デミウルゴス。モモンガ様がこちらに帰られるまでに読み込まなくては。」

「おっと、そうだねアルベド。時間は有効に活用しなくてはね。」

 二人は本のページを捲り、モモンガが入手した情報を読み込み始めるのだった。

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