Lie街と僕

Lie街

初めて、始めてみた


テレビの声が部屋をかける。


窓から差し込む光が部屋に零れて広がる。

僕はよく情景描写をする。好きだからだ。

今、妹が帰宅した。ランドセルを地面に

寝かせると、「ままは?」と、問う。

母は隣の部屋から返事をするとそのまま

トイレへ駆け込む。

ストーブは「ごーー」と悲鳴をあげる。

いつから使っているのだろうかこれは、

僕がこのストーブならとっくに音を上げているだろう。

夕日に照らされて僕のシルエットが揺れる。

トイレの水が穴へと引き込まれる音がする。

テレビの声は相変わらず。

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