第7話 現実

病院だ。

自分の病室の、入口付近で、余っ程キョトンとしていたんだろう。


「内田、さん……」


担当看護婦だった。


「もしかして、意識取り戻されましたか?!」


ハッとした。

涙が出てきたのは、生前の記憶を全て思い出したからだ。


「大丈夫ですか?!」


内田さんに支えられながらベッドに座った。頭がズキズキと痛い。


「思い出しました……全部…」




「……!本当!?」


内田さんのその喜びが後から後から心の底から溢れ、心と体を満たした後、外に溢れ出るのが分かった。

しかし当の私は、自ら命を絶とうとしていたのだ。


俗に言う、自殺未遂。


私は言葉も失った。


一命を取りとめたが、数日は精神的ショックで記憶喪失になっていた。らしい。


私の記憶が戻って喜んでくれたのは、担当看護婦の内田さんと、担当医師の田島先生だった。

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