第21話 生ゴミの日

 今日は生ゴミの収拾日だ。


 起きて直ぐに家中のゴミを集めて回るのだが、これがまた面倒で面倒で。

 キッチンにリビング、夫の部屋に風呂場に寝室、至るところに直ぐに鼻紙を捨てられるようにゴミ箱を設置してるものだから、取り出して口を結んで可燃ゴミの袋にいれて、そしてそこに新しいゴミ袋を設置していたら全部集めるのに10分はかかる。

 それを毎週2回、仏のような無の境地で私は集める。


 今朝も、職場が近くなった旦那はまだ寝ている。

 私はその足元にあるゴミ袋をそっと回収していて、ふと思い立った。


 私は旦那のちょうど喉仏の部分にあるリセットボタンを長押しし停止させると、その場で麺棒で丁寧にのして、そのままくるくると絨毯のように巻いた。それを新聞で包むと、可燃ゴミの袋へ放った。

やれやれ…。


 在庫としてタンスにしまっていた新しい旦那を取り出してくると、それを急いで稼働させ、朝食を摂らせてゴミ袋と一緒に送り出した。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る