第7話 おじさん


登校中、学校の寸前にあるとてもきつい坂を登っている時に工事の仕事をしているおじさんに『学校楽しいか?』と話しかけられた。

彼はタバコを吸っていた。私はタバコが嫌いだ。麻薬と同様の働きなのに合法的に売っている上、タバコの煙により吸っていない人にも中毒症状を与えかねない。

早く立ち去ろうと思っていたが、登校中に知らないおじさんに話しかけられるというのも面白いとも思い、『楽しいですよ』と返し、少し話をすることにした。


彼は茨城県出身。百姓の家で生まれ。海の近くに住んでいたようだ。タバコは中3の時からやっていて、学校は中学校までしか行っていないそうだ。

私に学校が楽しいかを聞いたのはそれが理由なのだろうか。

牛久大仏について教えてもらい、木製じゃない大きな寝ている大仏だと言われた。後に調べたが、牛久大仏大仏は立像だ。

その他にも学校まで4キロを走るのが日課だとか登下校の時にはまぐりを食べただとか言う話を聞いた。

私の生まれた場所はある程度都会で、そのような体験が出来るような場所はなかったので少し羨ましかった。


おじさんと話している時、自分の思考は相手と公平に接する態度と下に見る態度の二つが存在していた。両者は共に向上心を持った態度である。その二つの違いは相手と競って向上するか、相手と協調して向上するかの違いである。

見下すのは心が疲れるのでしたくない。

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