夢も希望も…

 今日出された宿題は大人へ将来についてインタビューすることだ。


 ちょうど部活もあるので顧問に聞いてみることにした。

 教師歴がこの学校で一番長い先生だからいろいろと話してくれるだろう。


 職員室へ行き、さっそく先生を呼び出した。


「先生、小さいころの夢はなんでしたか?」


 俺は期待に満ちた目で顧問の先生に聞く。きっとほかの人じゃ聞けないようなすごい内容が待ってるに違いない!


「夢も希望もねぇよ。俺が言うのもなんだけどよぉ」

「はい?」


 俺の後輩は隣で笑いをこらえきれずに笑っていた。


 宿題の運命はたぶん、夢も希望も待っていない。

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