きっかけ

17歳で家を出た俺の息子のことを少し考えていたら


ある日電話がかかってきた


それはひとつの病院だった


いわゆる精神科医の先生が少し用事があるので

病院にいて欲しいとの事だった


俺自身そんなところへ行ったこともないから



なんでなんだ?って疑問には思った


詐欺かなにかかと疑うのが普通だが


俺は行こうかと考えた


いま少し冷静になればおかしい話だ


いきなり電話がかかってきて病院に来てくれって言われてズケズケと病院に来ているのだから




病院と呼ばれていたそこの住所はただのマンションだった


その一室を病院として利用しているようだった




俺はその病院と呼ばれているところのドアを開けた



俺の勝手な偏見だが病院ってのは薬品の匂いが漂っていると思っていたらそんなこともなく薬品の匂いは全然なかった





そこには若い看護師が一人で玄関近くで受付をしていて電話がかかってきたものなのですがというと


はい、わかりましたと頷きひとつの個室に案内された





そこは真っ白なものしかなくて


真っ白な机に椅子、壁には防音壁が張り巡らされていた


そこの椅子にかけて待っていてくださいと若い看護師に言われた





しばらくしてドアが開いた




ドアを開けたのはなぜか黒子の顔を隠すやつをつけた人だった




その人の手にはお盆があり

そこにはお茶とお茶を入れるグラスがふたつがあった




そのひとはぺこりとお辞儀をすると向かい側の椅子に座った






そしてお茶をくみ俺に渡した




しばらくしてその人が口を開いた

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