しあわせな青のひかり

 すんなりと馴染みやすく、かつ端正な文体にまず惹かれました。
 そのうえ「夜空の瓶詰」という、心ときめく題材。夜空汲みの場面のきらきらとした美しさといったら、目の前にパッと青の天幕が広がるかのような涼やかさです。
 そしてなんといっても、このお話の夜はやさしい。人を癒し、ほほえませてくれる星々のかけらたちに、読者の私までまどかな気持ちになりました。ほんのりしあわせな、おだやかな青いひかりのような物語でした。