第33話 紫煙

湯上りのロープに包まれた

ほんの少し見え隠れする

君の胸がまぶしすぎて

俺は抱かずにいられない


俺の吐いた紫煙しえん

ふくらみのある胸に沿って

君の身体からだをゆっくり流れる


長い髪をかきあげると

細いうなじがあらわれる


この世のものとは思えない妖艶ようえんな姿


今まで何人の男が

君をさらって行ったのだろう


形のよい唇が

俺の耳元でそっとささや


一糸まとわぬ生まれたままの姿で


俺の心を見透かしたように

今夜も手招てまねきをする




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