第6話 登場人物一覧 その5 江崎 雪重/田中 あかね

江崎えさき 雪重ゆきえ


 高梨玲人と同じく、3年7組の生徒。

 東浜高の文芸部の部長であり、文化部会の会頭をしています。

 かなりグラマラスな体型。

 身長は152センチ前後と、低めです。

 誕生日は早生まれ。


 江崎さんは、トップ・クラスの優等生でありながら、体型はグラマーかつ顔立ちも可愛いと言う、男の子の夢を絵に描いた様な、まさにグラビア・アイドル的な美少女です。

 が、そんなルックスにも関わらず、その内面ではしっかりと自分を持っており、更に飄々ひょうひょうとした食え無い性格をしているので、誰かと付き合ったとか別れた等々と言う浮ついた噂は、今の所、一切ありません。

 彼女が所属している文芸部で、『空羽そらはね めい』のペンネームで発表している小説は、破天荒はてんこうな内容のライトノベルが多く、筆力も高い様です。

 東浜高の文芸部は、その部員数の多さから文化部会のトップに君臨しており、彼女の事実上の根城になっています。

 江崎さんは、そんな風に自ら部長を務める文芸部を取り仕切るかたわら、3年生に上がった時点で、東浜高校に存在する全ての文化部を統べる統括とうかつ組織、文化部会の会頭かいとうにも就任しています。

 その文芸部の部長であり、文化部会の会頭でもある江崎さんは、生徒会や体育部会とも強いコネクションのある、学校随一の実力者でもあります。

 更に、勉強での成績も前ページでご紹介した高梨玲人と同様に抜群であり、の追従を許しません。

 江崎さんのご実家は、付近の港湾に幾つかの漁船を持つ網元あみもとと、主に地場じばの食材を使った食品加工業をしている為、市・県議会から衆・参院と言った政界、或いは各業種の財界とも幾らかの繋がりがあり、成海隆一の住んでいる地方都市の中ではかなり影響力の強い名家です。

 生まれにそんな背景があるせいか、江崎さんの出身中学である私立のお嬢様学校とは異なる、単なる普通の公立高校である東浜高では、そんな彼女は色々な意味でおそれ多く、永瀬さんや生徒会長の様に似通った背景を持つ間柄の人で無ければ、良くも悪くも敬遠されがちの様です。

 3年生の春に自分のクラスに転入して来た有栖川すみれとは、そんな家や地元の事情による様々なしがらみが無いせいか仲が良く、夏場には一緒にプールに行くなど、楽しく過ごしています。



田中たなか あかね


 東浜高校に通う1年生で、香織さんと同じ1年3組に所属。

 新進気鋭の非公式体育系サークルである東浜高女子ソフトボール・クラブ、略してGSBCのリーダーを務めています。

 筋肉は付いているが、かなり小柄な体型。

 身長は148センチと、これまで登場した人物の中では最低です。

 誕生日は早生まれ。


 田中さんは、野球部の阿部くんの様に、中学校時代はソフトボール部で活躍していました。

 しかし、東浜高への進路希望を出す際、そこにはソフトボール部が無いのを知っていた為、入学式の直後、正式な部活ではありませんが、学校公認のスポーツ・サークルであるGSBC女子ソフトボール・クラブを自立ち上げ、そのリーダーとして頑張っています。

 GSBCは、東浜高の公認した部活動では無い為、文芸部や推小研などとは違って、現在、学校からその活動費用は支給されていません。

 しかし、成海香織さんも含めて或る程度の人数が集まった為、GSBCは現在、正式な女子ソフトボール部への昇格を目指して、江崎さんが会頭を務める文化部会と同様、学校内のあらゆる体育会系の部活を取りまとめている体育部会の預かりとなっています。

 田中さんはその低い身長と小さな体躯がコンプレックスなのか、機会があるごとに様々な運動をする傾向にあり、GSBCでの活動の他、学内のあちこちで色々なスポーツにチャレンジしている田中さんの姿を見掛ける事が出来ます。

 そんな田中さんの性格は、良く言えば、自分に正直かつ決断力と実行力があり、悪く言えば、酷く強引で自己中心的、傍若無人ぼうじゃくぶじんと言いますか、頭に血が上ると時としてかたわらにひときがごとしな行動を取るエキセントリックな所があり、他人の力には安易に頼らない独立独歩どくりつどっぽの生き方をしています。

 何かと友人・知人に頼りがちな松原奈々美さんから依存心を引いたような、そんな性格をしております。

 出会った当初、阿部くんとは犬猿の仲とも言える険悪な関係でしたが、彼がクラスメートの香織さんの彼氏である事を知ると、その態度もやや軟化しました。

 阿部くんにコーチを依頼したGSBCでの様々な衝突を繰り返した結果、彼とは次第に融和ゆうわする様になり、更には、GSBCの活動を通じて、無理やりにでも自分だけで何とかしようとすると言う、その旺盛おうせいな独立心の悪い側面も少しばかり直った様です。

 そんな田中さんが率いるGSBCが、将来、正式な部活に昇格する日は来るのか?

 まだ決めておりませんが、作者ながら、それを楽しみにしています。

 田中さんはリーダーシップがあって反骨はんこつ精神も旺盛おうせいですが、意外にも、将来の夢は公務員(事務職)になる事だそうです。

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