その3 汚部屋を探検! 食糧確保!

 鏡に映っている俺?を色々観察。

 身長は今までよりやや低め。

 多分百六十位だろう。

 体重は今までの半分かそれ以下。

 五十キロちょいというところだろう。


 細マッチョ体型。

 顔も小さめ。

 身長さえあればジャ●ーズ事務所辺りでも使えそうだ。

 まあああいうのは興味無いけれどな。

 別に悔しいからそう言っているんじゃ無いぞ。


 まあ取り敢えず何から何まで見覚えのある俺と違う。

 年齢も若そうだ。

 中学生、いや高校生くらいかな。

 ついでに別の処もズボンとパンツを引っ張って確認。

 うん、剥けている。

 前の身体はカン●ン型ででかくなりすぎると痛かったんだよな。

 実戦で使う機会はとうとう無かったけれど。


 そう思ってふと気づく。

 まさか三十過ぎまで童●だったから魔法使いに転生したのか。

 ならば一応試してみよう。


「ラ●パスラミ●スルルルルル」

 何も起きない。

 この呪文は確か鏡で起動した筈なのだけれども。

 なら別ので挑戦だ。


「パン●ルピンプルパ●ポップン!」

「プ●キュア!メタモル●ォーゼ!」

「テクマ●マヤコンテ●マクマヤコン……」

「エコエ●アザラ●エコエコ●メラク……」

「デ●アルオーロ●ウェーブ!」


 他にも色々試したけれど、どうも駄目なようだ。

 うん、どれも魔法少女の呪文だものな。

 男用が必要なのだろう、きっと。

 諦めて洗面所を後へ。


 ここまで来て俺は気づく。

 何か俺の性格、大分変わっている。

 前はドヨーンとドロドロでズデーンで暗黒。

 何もする気が起きない状態だったのだ。

 うつ病で勤務不能で色々薬飲んでやっと生きている感じだったからな

 それが今は何故か異様に軽くて色々空滑りしている感じ。


 これも肉体が違うからなのだろうか。

 それとも俺が別人に乗り移ったのだろうか。

 何せ人生悲惨だったからなあ。

 成仏してくれ、俺。

 ここにいるけれど。


 さて、何とかリビングに辿り着いた。

 これは天外魔境とでもいうべき感じだな。

 惣菜のプラスチック容器。

 放置された牛乳パック。

 あちこちに見えるペットボトル。

 なおペットボトルは空のも飲みかけのも存在する。

 つまりは由緒正しい汚部屋という奴だ。


 取り敢えずリビングに繋がった台所キッチンまで足の踏み場を探しつつ移動。

 妙に大きい冷蔵庫がしっかり鎮座していた。

 開けて中を確認。

 うん、豆腐とカップラーメンは食べられるな。

 何故カップラーメンが冷蔵庫に入っているかは謎だけれど。


 パックの餃子も食べられるかなと思ったが表示を見て断念。

 俺が死んだ日より遙か前に賞味期限が切れていやがる。

 他に食べられそうなのは安物のプリンかな。

 今日が何日か知らないが、開いていなければ何とかなるだろう。

 そんな訳で俺は自分の昼食づくりに取りかかった。

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