本格的にホストへ

ホストを本気でやりたくなってから1ヶ月程が経った。


ホストで本気でやりたくなったとはいえ、売上がすぐに上がるわけでもなく、接客がうまくなるわけでもない。


当たり前の話だが。


ただ、その頃から1つ変わったことがあった。


大学がすごくつまらなくなった。


授業は元から楽しかった訳ではないが、友達とは仲良くやってたので、それなりに楽しかった。


しかし、最近は同級生を同い年として見れなくなってしまった。


同級生がものすごく幼く見えてきた。


ホストの世界というものはお金の動き方が一般の世界とは違う。


ものすごく大きい額が動く。


20代の男が月給100万以上もらってるなんてのはそこまで珍しくない。


その額をもらってる、売れてる人程、精神年齢が高かったりする。


ホストで絡む人たちの精神年齢が高いぶん、相対的に大学の友達は幼く見えたのだ。


大学生活が、急に中学生活に感じた。


お金以外でいうと、女性の見方も子どもだなと思うようになってきた。


ホストは女の子がお金を払って会いに来る。


大学生は合コン、あいつとやった、あの二人は付き合ってる、そんな話ばっかだ。


とてもくだらなく思えた。


やったとか、付き合ってるとか、心底どうでもよくなった。


人によってはそのホストに会うために何百万円払う人もいる。


そんな世界にいる。


ただ、あと半年も通わずに卒業出来るので辞めるという選択はなかった。


むしろ、卒業だけはしておこうという強い思いはあった。


つまらなかったが、あと少しと思うと苦ではなかった。


3年だったら辞めてたかもなぁ、とは思う。


大学の友達にはホストをやってることは言わなかった。


俺はまったくモテない。


まったく冴えない普通の大学生だ。


ホストやってるって言ったら


「え、お前が!?」


みたいに茶化されるのはわかっていた。


それもとてもめんどくさい。


もうそろそろ卒業だし、どうでもいいやと思ってた。


ホストの出勤も増えたので、大学を寝坊する日も増えてきた。


出席日数ギリギリの授業も1つあった。


大学近くに住んでる友達が泊めてくれたりした。


それに関しては友達に感謝である。


色々あったが、なんとか卒業することが出来た。


卒業試験のようなものがあり、無事合格した。


その次に国家試験があった。


国家試験は落ちるわけにはいかなかったので、3か月程ホストを休み、無事合格。


国家試験の次の日からレギュラーとして改めて入店した。

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