第18話 一緒にいられたからこんなにもあるんだよ。

夕食の食器洗いするためいったん、

出ていきすぐに戻って再び話をする。

他愛のない話が言いたいことを言う。


「あっ、もうこんな時間!

お兄ちゃんわたし、そろそろ寝ないと

起きれないからそれじゃあ」


部屋を出ていこうと立ち上がり

自分の部屋に向かおうとする最愛の妹の

唯悧に俺はこれだけは伝えようと

引き留める。


「唯悧まだ言っていないことがあるんだ。」


「お兄ちゃんなに?」


振り返りニコニコな明るさで俺の言葉を

待つ天使。


「その、楽しかった話せてこれからも

頼む唯悧。」


「うん、そう改めなくてもわたしだって

・・・兄妹として仲良く話がしたい

からね。」


少し間があったのは、何だったのか

それに儚そうになったのは・・・

とりあえず、あとで考えるとして

唯悧と兄妹として進展があってよかった。

理想な笑って信頼しきった兄妹に。


そうすれば、いつかきっとこの

恋慕も諦めがつくかもしれないし。


「はは、嬉しいよお休み唯悧。」


「うん。お休みお兄ちゃん。」


◇―――【唯悧は、悩み心で叫ぶ】―――◇

・・・・・・わたしは・・・・・・・・


(わたしは・・・なんて大胆な事を~、

お兄ちゃんの想いを爆発して

この熱い想いが心配とか一緒に外に出て

きて・・・わあぁぁぁぁ!!)


わたしは、熊のぬいぐるみを抱きながらベッドでゴロゴロと回ってなんとか

発散しようとする。

これを何度も、何度も繰り返す。


「・・・そうだ、ソシャゲでもしよう。

・・・・・・あれ、ない?」


ローテーブルにいつも置いているのだけど

なかった。机やベッドや鞄を探すがない。


(もしかして、お兄ちゃんの部屋に。)


今日はお兄ちゃんの部屋で長く話を

していたそこにスマホがあるのは

当然なことだよね・・・そうなると

目覚めないように静かに入らないと

いけない。ドアの前に着くとゆっくり

ドアノブを開けてゆっくり入っていきます。


「・・・あっ、デスクチェアにあった。」


スマホを発見したのでゆっくりと

最小限に音で出ていこう。


「唯悧・・・大好きだ!」


「ふぇ!?」


お、お兄ちゃんがわたしを大好きと

聞こえてしまいベッドを向くと・・・

どうやら寝言のようだった。


「隠して・・・いたんだ・・・・・

恋人になりたいって・・・・・・だけど

・・・捨てないと・・・なくて」


「・・・・・・お兄ちゃん?」


お兄ちゃんは、どんな夢を見ているのか

泣いていました。そんなにわたしの

ことを想って・・・くれた。

眠っているなら思いきって言います。


「・・・わたしも大好きだよ」


覚めないように小声で返事する。


「・・・・・」


まるで聞こえたように安らかに眠る

お兄ちゃん・・・スゴく好きですその

寝顔・・・。


「おやすみなさい、お兄ちゃん」


ゆっくりドアを閉め出ていく。


・・・・・・日差しが入り込む。

閉じていてもなぜか窓ごしの光が

朝だと報せるのだろうか・・・そんな

益体のない思考を振り払い立ち上がる。

どうやら、熱は治ったようだ。

朝食の準備をしないと居間に入ると・・・

唯悧が学生服にエプロン姿で料理を

作っていた。


「あっ、お兄ちゃんおはよう!」


「お、おはよう。・・・唯悧どうして

朝食を?」


「たまにはわたしが作ろうと・・・

それとお兄ちゃんがまた熱があるかも

しれないじゃない」


頬を赤らめ笑顔を浮かべ答える唯悧。

唯悧は俺のためにこんな早くから目覚めて。


「熱は治ったんだ」


「本当!良かった」


安堵する唯悧。俺は自分のエプロンを着けて

唯悧の隣に進み、俺の姿に気付いた唯悧は

首を横に振る。今回は自分がやると

意思を伝わったが断る!


「唯悧、俺も手伝っていいかな?」


「・・・えっ、お兄ちゃんと・・・・・

う、うん・・・いいよ」


なぜだろう唯悧が恥ずかしそうに肯定するのは、いつもは笑って快諾するのに。

兄妹一緒に料理が出来て手テーブルに

置き手を合わせる。


「「いただきます!」」


恒例の言葉を言い終えると箸を持ち

まずは味噌汁を口に運ぶ。


「お兄ちゃんわたし・・・決めたんだ」


「・・・んっ、なにを?」


「本当の気持ちを言えるように・・・

それが、わたしの目標」


頬は桜色になって、強い意思を伺える

声音で妹の唯悧はそう言った。

その決意にドキッとしてしまった。

落ち着け、俺は妹が、好きなのを

捨てると決めたんだ記憶や想いは捨てずに。


「?・・・よく、分からないけど

応援しているよ」


「うん。絶対に成してみせる!

わたしとお兄ちゃんのためにもねぇ!」


満面な笑みで唯悧はいつもより輝いて

見える。まるで、天使のように。





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