第10話 悪阻の頃の犬

 我が家には犬がいます。耳だけ茶色い白い犬です。


 妊娠がわかった時も、悪阻で一日中寝ている時も、彼は相変わらず元気でした。

 朝起きてきて、遊んでサインを出します。だけど私は起こしてトイレをさせたらすぐに布団で寝てしまってました。この時期なんだかとてもだるくて、何もする気が起きない事が多かったのです。

 で、私が布団でじーっとしていると、犬が様子を見にやってきます。


 あれ? 寝るの? 今日も? また寝る?


 みたいな顔をして。自分のお気に入りのボールを私の頭のあたりに転がしてみても起きる気配はありません。

 すると、


 ふむ……起きないかー。


 みたいな顔をして、私が寝ている部屋の、1番日当たりのいい窓際にフセ。しばらくじっとこちらを見ているのですが、窓際の暖かさに徐々に瞼が重くなり、いつのまにか就寝。笑。


 この時期は本当に家の中で遊んであげられなかったけれど、犬のカワイイ一面を見られたので私としては良かったなと。私が寝てると犬も寝るんだな〜。


 横になって犬と見つめ合っていると、たまーに妙なテンションになって、「なんだこのカワイイ生き物はー!!」って言って、犬を撫でくりまわして遊んで?ました。

 この時犬は、


 なんだかよくわからないが大人しくしておいた方が良さそうだ。


 みたいな顔をしてなすがままにさせてくれました。

 犬っていろんな表情するんですね。


 家の中ではこんな感じでしたが、散歩は毎日行きました。一日中家の中は、犬にとってはつまらないですもんね。はーなつかしー。

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