第6話 これは、、、妊娠?

 妊活を始めて9ヶ月が経った頃です。病院に通いつつ、生理が来るたびに落ち込み、生理が遅れては落ち込む日々を過ごしていました。月日が過ぎれば過ぎるほど、私に子供は無理なのかなぁ、という気持ちが大きくなっていき、この時期は一周回って「もうできないならできないなりの人生やってこ」てなことを考えはじめていました。

地元のいい話コンテストもなんとか期限に間に合って、よーし次は公募に挑戦! 頑張っちゃうぞ☆ とか思ってたんですね。


しかしこの月だけは何かが違ったんです。


 去年の9月のことでした。生理予定日になっても生理がきません。生理不順で、何ヶ月かに一度は次の生理が2週間程遅れることもあるのが私にとって普通なのですが、いつもと違います。

 なんだか胃がムカムカするのです。腹痛もあります。もしやこれは、妊娠か? とわくわく。

 しかしそれは生理予定日に感じたこと。こんなに早く妊娠の兆候って現れるなんて聞いたことない。ただの生理前の体の不調じゃない? いやでも今まで生理前にこんな体の変化はないし、やっぱり……!?


 期待しすぎは良くないよねと思いつつも、なんとなく「妊娠したぞ」という感覚を勝手に感じてうひょーな気持ちが抑えられません。

 まだ確実ではないので夫には妊娠したかもとはまだ言いません。妊娠検査薬で陽性が出たら言おうと決めて内緒にしているのですが言いたくて仕方がなく、

「なんか胃がムカムカするわ〜」とか、

「最近お腹が痛いんだよね〜」

 と、毎日毎日妊娠を匂わせるようなことを言っていました。

 が、夫には伝わらず「具合悪い具合悪いって最近なんなの!? 薬飲んだらいいじゃん」と怒られました笑。妊娠を匂わせるつもりが夫には全く伝わってませんでしたははは。

 仕事から疲れて帰ってきて、毎日具合悪い〜と言われ続けたらたしかにうんざりですよね。それでも妊娠したかもしれない嬉しさで、私はにやにやしながらまぁまぁとかいって夫をなだめ、検査薬を使える時までわくわくそわそわ。


 毎朝測る基礎体温も高温期のまま下がりません。というか毎朝「下がるなよ!下がるなよ!」と念じながら舌の裏を体温計にギリギリと押し付けて測ってました。無理矢理にでも高温期にしてやるぞの精神です。そのおかげか何なのか、次の生理予定日から1週間を過ぎても体温は高温期をキープし続けました。


 妊活開始から9ヶ月、ついに妊娠検査薬を使うタイミングがやってきます。

 妊娠検査薬というのは、尿で妊娠したかどうか判定する試薬です。スティック状の試薬の先端に尿をかけて数分待ちます。陰性だと一本線。陽性、つまり妊娠していると二本線が現れます。

 平日の昼間、夫が仕事でいない時に1人で検査薬を使いました。結果は陽性! くっきりと線が現れました。よかった……。よかったー!

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