このバイト女神に祝福を!(序章)

「かじゅまさーーん!!」

「なんだよ駄女神。もう今月はお前にお金はかさないって約束がある事を忠告したうえで何の用だ」


 バニルとの商談も終わり、真面目に働いたうえでギルドへ飲みに来たのだがそこでは駄女神が泣きついてきた。いつもの事と言えばいつもの事なのだがどうせ金を貸してほしいだのないだの言ってくるのだろう。俺は絶対に貸さないと心に誓ったうえで話を聞くことにした。


「カズマさんのケチ……カズマさんっていつもお仕事頑張っているし、偉いと思うのよ! それに…そこはかとなくイケメンだと思うのよね」

「で、それで」

「あらまっ。カズマさんったら肩がすごいこっているわね。私が揉んであげるわね」

「そうだなあ、今日は商談で肩がこるようなことばっかだったしな…あーそこっ!いい腕してるなー」

「褒めてもらえてうれしいわっ。そんなカズマさんにちょっと相談なんだけどちょっと今日の飲み代払ってくれないかしら」

「いやだ」

「そこを何とか…」

「ちなみに聞きたくはないんだがいくら借金してるんだ?」

「軽く1万エリスってところ?」

「は?」

「「…」」 

「ってかバイトしてるんじゃないのか? 皿洗いとか…」

「してるわよ! でもこのギルドがケチだから私の働きに見合ったお金をくれないのよ!」


 俺らの会話を聞いていた、ルナがものを言いたそうな顔をしてこちらに来たので用があるのかと聞こうとしたところあっちから話し出した。


「アクアさん! 何を言うんですか。わたくし共はちゃんと働いた分はお支払いしますよ。でも皿洗いを任せたらすぐに割ってしまうし、配膳を頼んだら半分飲んだりしてしまうのでその分を差し引いた分をお渡ししているのですよ!」

「おい、アクア。皿洗いも配膳も出来ないのかよ」

「だって…だってええええ!」


 泣き出したら止まらない駄女神をこれ以上ギルドのお姉さんたちに迷惑を掛けさせては悪いと思い、アクアの払わなければならないお金を払っておくことにした。そのまま、屋敷へと連れ戻るのであった。



 借金残り10000万エリス

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