男が長髪なのに女が短髪なところがいい

 俺とエンノは、チベットについてから、修行っぽいこともやらず、ただテキトーに、過ごした、合計何百冊も本を読んだ、同じようなのも何度も読んだ、タルパのつくり方を、学んだ、原住民口頭のを通訳者から。

 俺は、チベットで、生きて、毛がかなり伸びた。エンノは、俺よりも毛が短い、男のほうが毛が長い、だが俺はそこがいいと思うのだ。

 俺は、24歳をむかえた。そして、チベットから離れることに。本当にこんなんでいいのか、と気になった、ラスプーチンとライヴチャットした、チベット滞在して、半月経った時や半年経った時とかにでも何度か。チベット滞在、これは、Pトルズのインド滞在と似ていると俺は思った、だが俺は、ジョン・レモンのように、『セクシー・サドゥー』のようなことをして、誰かに挑発するようなアートをする気はない。今でも思うよ、何年も前に聴いた、Pトルズの『ホワイト・アルバーン2』は、いい雰囲気があると、どこか病んでいるが、そういうのは、俺には心地よさでもあるんだ、でも俺自信が病んでいるのは嫌だけど。Pトルズインド滞在期のあのノリ、好きだ。ジョン・レモンが毛伸びかけで、1960年代の後期、Pトルズも後期、おもしろいなって。

「チベットはどうだった。よしなら今からはイェルサレムといこう」とラスプーチンは言う。

「はい、わかりましたよ。エンノ、連れてますけどいいですか?」と俺は言う。

「もちろんだ」とラスプーチンは言う。

 歩きながら、俺は、ラスプーチンとのライヴチャットを止めた。

 25歳までのエルサレム。エルサレム滞在も、Pトルズインド滞在のノリでやりたいなって思うよ。

 エルサレムに行くのもジェット機だ。俺は歩いたりして行くのは避けている。

 ジェット機に乗った、俺たち。そして、エルサレムについた。

 俺は、また、修行のようなことはせず、ハイテク感のある、真っ白な施設で、テキトーに、過ごす。エンノ、彼女は、俺よりも10歳上の女だが、もっと若く見える。

「チベットで本は読み尽くしたからな、今度は何やろう」と俺は言う。

「……さぁ?」とエンノは言う。

「男と女で、こうやって、ふたりきりでいる、のに、エッチなことは、しない、これって、寧ろ、世間より上で、健全すぎるんだって、思うよ。なにせ、キミは、美女だ」と俺は言う。

「そうそう、なぜか不思議とあるよね、厳しい世間なのに、急に、世間よりも上に行けすぎちゃうこと」とエンノは言う。

「俺はいつも世間を嫌って生きてきた、ニートだ。でも結果恵まれた。俺は、それでも世間は尊重するもの、気に入られないと駄目だなって、思うんだよ」と俺は言う。

「なに?、真剣に語ってる?」とエンノは言う。

「テキトーだよ、でも嘘はつく気ないよ」と俺は言う。

「だよね。でさ、このあとどうなるの」とエンノは言う。

「25歳になったら、イセ神宮に移動かな。あれ、先長野に行くのか、まあそのときなればわかるよ」と俺は言う。

「そのあとは」とエンノは言う。

「異世界入するんだよ」と俺は言う。

「ほんとに?、ラノヴェじゃあるまい。でも、私は、そこ一緒に、いっていいの……?」とエンノは言う。

「ああ、ほんとだ。ほんとにできるかは、知らないが。ああ、そうだ、ちょっとラスプーチンに訊いてみるよ。聞こえますか?、ラスプーチンさん」と俺は言う。

「どうした」とラスプーチンは言う。

「あのぉ〜、異世界にエンノは連れて行けれますか?」と俺は言う。

「行けるよ、詠唱時に彼女ともセックスしていれば」とラスプーチンは言う。

「そうですか、ありがとうございます」と俺は言う。

「ああ」とラスプーチンは言う。

「私を救ってあげようと、ラスプーチン大統領は私を、呼んで、貴方と結ばせたんだよね」とエンノは言う。

「そうなのか?、ラスプーチンさん?」と俺は言う。

「違うが、ただの偶然だろう」とラスプーチンは言う。

「え?、じゃあ、あれも、心因性の、幻聴?」とエンノは言う。

「きっとラスプーチンさんがどう答えても、納得いかないだろ?、疑うんだ」と俺は言う。

「かもね……」とエンノは言う。

 俺は、ラスプーチンに、例の、古代ユダヤ人の末裔の美女のことを訊こうとした、が、まだ、約一年は、エンノとここで、いる予定はある、破局的にする気はない、俺は、あえて、訊かないでいる、そのことを。

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