大学生になりました。




  大学生になりました。


 私立だったし大学までノー受験で進学もできたんだけど、頭脳明晰で美人な中高時代の親友たちに揉まれている内に成績がそこそこ良くなってたりなんかして、私も国立を狙えるくらいになってたから受験してみたら国立大に受かりました。やったね!


 なぜか妹に勉強を教えてもらったり、一度目では疎遠だった両親とそれなりに家族したりとか色々あったけど、人生ってがんばってみるものだね。

 ほら、あれだよ。社会人になって働いてると学生時代が貴重なんだって気が付く人ってわりと多いじゃん?

 少なくとも一度目の私はそういう人間だったから、せっかくの機会だしってことでがんばってみたわけだ。真面目にすると勉強も楽しかったよ。

 一度目の私は勉強する意味について深く考えてなかったんだよね。一度目もこのくらいしたら良かったんだろうなあって思った。



 一度目の私は、「どうせお嫁さんになるのに勉強する意味がわからない」とか無謀なことをしれっと言っちゃう子だった。だから進学を勧めてくれる両親がいるのに、私は高卒で働いて家出同然で自立した。

 たぶん、時間は有限なのを知ってるけど知らなくて、時間が無限にあるような気がしていたんだろうな。

 若さゆえの無謀っていうか、無敵っていうか。

 

 でも、二度目の私はやる気が違う。

 だって、親友たちのおかげで私は一度目で知らなかったことを知ることができた。友達ってすごいね。尊いね。大好きだ!

 自分ががんばってるとさ、自然と周りにも同じくらいがんばる人間が多くなってたってことに気が付いたんだよね。


 校区で通う人間が決まる公立小学校はともかくとして、中学校、高校、大学……受験ていう関門を乗り越えて、がんばる人間が選別されていく仕組みができてるんだなあって思ったね。

 一人一人が自分の考え方で動いていて、「誰それちゃんが言ったから」みたいなのがほぼないんだ。

 これって、当たり前のことなんだけどその人に判断できるだけの頭の良さっていうか、経験や前提知識があるってことなんだよね。


 私には、お嫁さんになりたいっていう夢がある。

 だったら、少しでも夢が叶う可能性が上がる方へ進学するべきだって思ったんだ。

 そう、私が行くべきは理工学部! 私が大好きな理系男子の園! お願い、愛にひもじい私を誰か拾って!


 理系妹よ、私の勉強をみてくれてありがとう。

 お姉ちゃん、長期戦覚悟で婚活がんばるよ。




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