心を捉えるのが上手い!

正直に書きます。

かなり良い作品だと思っています。
まず文章。端的でブレが無く読み手を引き込む力は十分です。
脳内で構成される映像と文章がカチッと組み合わさる感じでした。
恐らく、この物語を読む人は細かい所はさておき、全て同じ様な映像が流れると思います。違和感がないと言うのは大事な事だと思っています。
物語の繋がりの構成もできており、文章の曖昧さがありませんでした。
キャラクター達の心情も十分に引き出せていると感じました。

何故こうなったのか、何故そう考えるのか、何故こうしなければならないと思い当たったのか。そういう物語を構成する「手におは」がきっちりと出来ています。
この辺りは見事だと思います。

不覚にも数回物語に入り込んでしまい、泣いた部分がありました。
つまり、心を捉えるのが上手いのだと思います。
描写と台詞と心情のバランスが良いと人は物語に入り込みます。
彼はそれが出来ている。
ここからラストに向かって一気に進んでいくのだと思いますが、最後まで気を抜く事なく頑張って欲しいと想う。

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