うーん……今回は泣けた……。
一気に物語の中に引き摺り込まれて、その場にいる感覚を味わった。
久々の感覚だった。
見事としか言いようのない文章に翻弄された感じ。
絶望と希望が混ざって何とも……胸の奥がざわざわしてます。
作者からの返信
ありがとうございます。いつも異世界チート勇者に瞬殺される惨めなヤラレ役の本当の怒りと悲しみを突きつけたくて書きました。チート勇者ファンからしたら嫌な話だと思うのでこの作品自体実は人気がなく、アクセスもあまりありません。でも、貴方のように共感して下さる方もいらっしゃるのだけが救いです
続きをください!
作者からの返信
ヒィッ! …じゃなかった、はい
(ツイッターに垂れ流したまま、こちらに書くのを忘れておりました……)
戦車とファンタジー異世界。あまりに不似合いな組み合わせ。
しかし剣と魔法と、人と魔の世界に、突然かつて大戦で名をはせた戦車が、確かな筆力によって現実的な質量を持って私の前に現れ出でました。
重量七十トンの巨躯と、七一口径八八ミリ戦車砲の牙。
そしてその異質な存在ゆえに、この世界を作る理の一つ、魔族への絶望に風穴を穿つことができたのだと思います。
またこの作品は大きな悲しみを背負ってもいます。
過去の歴史のために未だその罪過に苦しむ魔族の声に代わる者など誰もおらず、そこに現れた微かな希望こそがテツオであり鋼鉄の虎といった救世主たる彼らもまた、それぞれに悲しき現実を過去に持っている。
ニセ梶原さんは常にそうした彼らの側にたち、その筆の一本一本で彼らの持つ悲しみの過去と、それでも尚生きようとする今とを掬いあげ、その奥から溢れ出す怒りは激しく、読んでいる私の胸を揺り動かしてきました。
そして、この作品にあるのは絶望と怒りだけでもありません。
始めの希望は、チート勇者と同じく異邦人ながらしかし無力な少年テツオの存在だ。
彼の心が、この物語の最初の火を点けた。
それは虎の砲火となりて敵を撃ち、やがて魔を率いる姫の(偽りの)希望の火となって、魔族たちを照らし出す。
心に火を持つ者こそがヒーローであるならば、テツオは紛れもなくヒーローでしょう。
そしてもう一人、心に火を持つ者として一度の敗北で地に墜ちたリュードは、作者の寄り添う弱き者の側に、その片足を踏み込んだキャラクターになっております。
だがその胸に燃えるのは復讐の炎。
それぞれの火が照らし出す未来に何があるのか。残りも楽しませていただきます。
8話までの感想でした。