臓器に宿る、誰か。

探偵でありながら、事件の犯人を捕まえるよりも先にぶっ殺そうとする姉、ヒカル。それを阻止するため、姉よりも先に事件解決を目指す弟、シュウ。
二人を中心としたわりと猟奇的なミステリー。

……なのですが。

姉が『ぶっ殺す探偵』になった理由として、『殺人鬼の心臓を移植された』というのが最初に提示されているのですが、実はその臓器提供こそが、本作の軸をなす事件であり最大の謎となっていきます。

血みどろになるシーンも多く、『ぶっ殺す』のタイトルの通りに物騒な展開が続きますが、やり合う描写には鬼気迫るものがあり、読んでいるこちらまで体が痛くなってくるようでした。
それも、作者さまの正確な言葉選びのなせる技なのだと思います。

臓器提供が絡んだ謎を、姉と弟と共に、血まみれになりながら読み進めて欲しいと思います。

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ぶっ殺す探偵