第一話 実は書こうと思ってなかった


 まず僕が企画を始めて目にしたのは、小説を投稿する一週間と少し前。

 確か金曜日だったか土曜日だったか。よく覚えていません。


『第3回カクヨムWeb小説コンテスト大賞受賞者インタビュー|紙城境介【ラブコメ部門】』に目を通していた時でした。


 作者の紙代さんがカップリングで三回くらい頭がおかしくなった話を見て「やっぱ小説書く人って頭おかしいんやなぁ、怖いなぁすげぇなぁ」と益体もないことを呟いていました。


 記事を読み終わって、そこそこ有意義なものが見れたなと思いながら他に面白いもの何かないかなとお知らせ欄に目をやると、


『【12月2日締切】小説×音楽×動画 新進気鋭のアーティスト「X→LIST+」新曲ストーリー原作者募集・応募開始!』の文字が。


 おお、面白そう。と思ってポチッ。

 概要を上から下に流し見しつつ、動画があったのでそれもポチッ。

 流れた楽曲は『夏の通り雨』。

 おお、ええ曲やなぁ。と小学生並みの感想を抱きつつ、この時の僕はこの企画の小説を書こう!という気にはなっていませんでした。



 この時の思考を出来うる限り再現します。本当にただただ垂れ流すだけなので苦手な人や読む気がない人は『この時は書く気がそこまでなかった』ということだけ踏まえてもらえれば、次に進んでもらって構いません。



 この時の思考。


『あーこれ三月のパンタシアみたいなやつか。こういうの一回はやってみないよなぁ。自分が原作になれたらいいだろうし。この間に募集かかってたアニメ原作の賞みたいなのもやってみたいなぁ。でも受かるとも思わんし。でもやってみることによっていい経験にはなるだろうな。やってみようかな。でもいまハイファン連載中だかんな。まぁ思いついたらやってみるかー』


 こんなことを思いながら数日が経ち。


 その瞬間が、訪れました。


 土曜日だったか日曜日だったか。


 ピロリーン、というスマホの通知。


 画面を覗き込んだ僕の目に映っていたのは、



『X→ LIST +(エックスリストプラス)さんにフォローされました』





「……………………マジ?」




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