第4話 私の自慢のお姉ちゃん

 放課後、友達とドーナツショップに行った。


 するとたまたま、大学から帰ってきたお姉ちゃんが通りがかった。

「あれ美由紀?みんなとお茶してるの?」

「ん……まぁね……」

 カフェオレを飲みながら、素っ気なく返事した。


 お姉ちゃんがみんなに謝る。

「んもぅ……みんなごめんねー?こんな不愛想な子で……」

 友達は笑いながら答える。

「いや全然。私たちとはフツーにしゃべってますよ?」

「そうそう、何故かお姉さん来たらこうなっちゃうんですよね?」

「ひょっとしたら美由紀シスコン?『おい姉ちゃん、勝手に他の女としゃべってんじゃねーよ』的な?あはっ」

「お前ら全員バカなの?死ぬの?」


 お姉ちゃんは手をヒラヒラと振って帰っていった。


「ホント美由紀のお姉さん美人だよね?」

「そうそう、んでもって嫌味な感じしないしさあ」

「顔近くで見たら、髪綺麗っ!まつ毛長っ!……いやぁノン気でもドキッとするよねぇ……」

「あんたレズ?」

「お前今の話『ノン気』って言葉最重要だからな!」

「尊いわー、あはは」


 お姉ちゃんと一緒にいるといつもこうだ……

 美人で社交的なお姉ちゃんはいつも人気者だ。


「アホかあんたら……」

 ボソッと呟いて、ストローに口をつけた……








 家に帰ると、お姉ちゃんはリビングで本を読んでいた。

 私はズカズカとお姉ちゃんに近寄り……


 ドンっとソファーに足を乗せ、顔を覗き込んだ……


「お姉ちゃん、さっきの何かな?」

「な……何って……」


 目をそらすお姉ちゃん。

 頬に手を添えて、無理矢理こちらを向かせる。


「何で他のとしゃべってるの?」


 おびえたようにお姉ちゃんは反論する。

「ち……違うの……美由紀ちゃん見かけたから……話しかけようとしただけで」

「みんなに話し掛ける必要、なかったじゃん?」

「そ……それは……」

「ごめんねぇ?無愛想な妹で(にこっ)」

「ひっ……」

「何回言っても学習しないね、お姉ちゃんは……」

「い……いや……許して……」


 さらにおびえるお姉ちゃん。涙目だ。

 私は立ち上がり、自分の部屋に戻る……

 そして……2つの物を手に取って、リビングに戻ってくる。


「再調教だね。どっちが良い?極太バイブと電マ」

「ひっ……ごっ……ごめんなさい……もうしない……から……」

「10秒でどっちか選んでね?選べなかったら両方使うし、はい。じゅー、きゅー、はーち、なーな……」

「や……やめて……美由紀ちゃん……」



 お姉ちゃんは、10秒以内に選べなかった。







 再調教が終わった。

「あ……あぅ……あ……」

 お姉ちゃんは、ソファーの上で体中を痙攣させている。

 このだらしない顔

 お姉ちゃんの真実を知らない人は、今の顔を見たら憧れとか吹き飛ぶだろう。


「もうしない?お姉ちゃん……」

「は……はい……ごめんなさい……もう……ほかの女の子……気安く……話しかけないからぁ……許してぇ……」

 さっきの極太バイブと電マをお姉ちゃんに渡す。 

「今度はお姉ちゃんの番だよ?お父さんとお母さん帰ってくるまで、いっぱい可愛がってね?」

 再調教が終わったお姉ちゃんは、熱病患者の目で私を見ている。

「は……はい……美由紀ちゃん……」



 ちゅっ……

「大好き、私の自慢のお姉ちゃん」

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