第5話 玄関


 翌朝。

 ひとりで朝食を終え、メルと自分の弁当を作って、自分のは鞄に入れた。

 メルの弁当(重箱)をダイニングテーブルに置いて玄関に向かう。するとメルが目をこすりながらやってきた。


 パジャマ用の白ワンピが肩から脱げそう。そんなだらしのない格好のメルは、寝癖を少しつけていた。


 僕は靴を履きながら、

「お昼はテーブルに置いてあるから。さすがにあの弁当なら足りるでしょ?」

「んー。腹九分目って感じ〜」

 どんだけ食べるんだよ、と笑って、僕はいってきますと言った。

「いってらっふぁ〜い」


 そして僕は小さく手をふるメルに聞く。


「メル、学校いかないの」

 

 メルは目をこすりながら一瞬固まって、僕と目を合わさずに答えた。


「ん〜、今日はパスかな」

「そう」

「うん」

「じゃあいってきます」

「いってらっしゃい」


 玄関にメルを置いて、僕は学校に向かった。


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