月に咲く花

桜緋夕貴

登場人物・用語集

【登場人物】

・主要

 尚豊しょうほう佐敷王子朝昌さしきおうじちょうしょう

  物語開始時:14歳(10話で15歳)

  1590年生まれ。

  尚久の四男だけど兄3人が早世している為、金武間切の跡取りとして育っていたが、急遽王世子として首里城に行く。

  存命の兄弟は姉2人、妹2人、弟2人(1605年時点)。


 蒼志そうし

  物語開始時点:17歳(10話で18歳)

  1587年生まれ。

  素性不明。やたら情報通。時間と情報は金。


 尚寧しょうねい

  物語開始時点:40歳(10話で41歳)

  1564年生まれ。当代王。7代目。

  尚懿しょうい(与那城王子朝賢)の長男だった。

  超有名な第二尚氏三代目王である尚真の曾孫で、5代目王の尚元の孫。

  母方で見れば尚豊とは従兄弟(親が兄弟)。

  母親が王の娘だったせいで王に就くことになった人。

  王妃はこちらも母方の従姉妹、阿応理屋恵按司加那志。


・その他

 尚宏しょうこう具志頭王子朝盛ぐしちゃんおうじちょうせい

  物語開始時点:26歳(10話で27歳)

  1578生まれ。

  尚寧の同母弟。実は若い。11歳で兄尚寧について首里に行く。

  首里に行ったら摂政に就任することに。

  結構無理のある人事のせいもあって苦労したので、割と尚久が嫌い。

  1男1女のお父さん。長女はそのうち尚豊に嫁に行く。


 尚久しょうきゅう大金武王子朝公うふきんおうじちょうこう

  物語開始時:44歳(10話で45歳)

  1560年生まれ。

  尚豊の父、尚元王第三王子。

  母は側室だが、早くに亡くなってしまったため尚元王妃に養育された。

  とにかく王になりたくないので尚寧を推した。

  実は実母と奥さんが姉妹だったり…。


 鄭迵ていどう謝名親方利山じゃなうぇーかたりざん

  物語開始時:55歳

  1549年生まれ。

  物語には名前しか出てない。

  対大和政策では強硬派と目されている。

  10代の頃、明の南京の国子監こくしかん(最高学府)に留学していた事がある。

 

 翁寄松おうきしょう城間親方盛久ぐすくまうぇーかたせいきゅう

  物語開始時:62歳

  1542年生まれ。

  三司官の1人。好々爺なおじいちゃん。

  大和の書流を汲むことから大和に縁があり、対大和政策では穏健派。


 向里瑞しょうりずい浦添親方朝師うらそえうぇーかたちょうし

  物語開始時:46歳

  1558年生まれ。

  三司官の1人。尚寧・尚宏の叔父。妻が尚氏ではないので、王族から一段降りて向氏しょうし

  意図的に甥達と距離をとって、第三者的な立ち位置で政務に就いている。


 馬良弼ばりょうひつ名護親方良豊なごうぇーかたりょうほう

  物語開始時:53歳

  1551年生まれ。

  三司官の1人。基本温厚。明に渡った事があり、その時の伝手で情報通。


 紅琳こうりん

  物語開始時:14歳

  1590年生まれ。

  尚豊が成人した際、尚豊の侍女として金武御殿で働き出す。

  

 菊隠 宗意きくいん そうい

  生年不明(作中では65歳くらいの想定)

  僧侶。のちに「琉球国師」の称号を、さらに王族以外で「王子」の称号を得る。

  もともと首里の円覚寺で出家、その後京都の五山で修行し琉球に戻った。

  作中時点では隠居して千手院と言う庵で余生を過ごしている。

  ※五山:南禅寺、天龍寺、相国寺、建仁寺、東福寺、万寿寺の5つのお寺。


 喜安きあん

  物語開始時:38歳

  1566年生まれ。

  大阪の堺の出身。千利休の弟子の弟子。茶人。

  物語開始の3年ほど前に琉球に移住。茶道を広めようとしてたところを尚寧に

  招聘されて侍従として出仕を始める。

  島津侵攻における沖縄側の唯一(と言っていいレベル)の資料「喜安日記」の

  著者。


【用語】

 Wikipediaの各ページ参考&参照。

 ・王世子おうせし

  皇太子。


 ・間切まぎり

  多分正しくは、「まじり」と読むが、本作では「まぎり」。

  琉球における行政区分。現代で言う市町村に該当する。

  割と現代の沖縄の地区名とも被る。

  金武間切=金武町付近

  浦添間切=浦添市


 ・御殿うどぅん

  基本的には間切を拝領(琉球王族)している人の邸宅のこと。

  王家の邸宅も御殿と呼ぶ。

  例えば、聞得大君の邸宅は「聞得大君御殿ちふいじんうどぅん」。

  国王の離宮は「識名御殿しちなうどぅん」別名:南苑。現在の識名園。


 ・三司官さんしくぁん

  琉球王国の行政最高官の3人。

  その地位に就けるのは親方に限るが一応選挙制。

  選挙権は王族と士族(上級)のみで、王族は被選挙権はない。


 ・摂政しっしー

  三司官の上に立つ、最高位の官職。

  こちらは王族内から選任されるが、第二尚氏王統では尚宏が初めて選任されている。

  尚宏の先代は第一尚氏王統になる為、300年位遡らなければならない。


 ・親方うぇーかた

  士族が就ける最高位。世襲制ではなく功績により昇級する。

  親方は間切を拝領する。


 ・聞得大君きこえおおきみ

  正しくは「ちふぃうふじん」。琉球神道における最高神女。

  初代は尚円王女。

  琉球王家の女性がその地位に就き、琉球王国を霊的に守護する役割を負う。

  就任には「御新下りうあらうり」が行われる。

  作中は梅岳→月嶺に継承された。

  なお、2021年現在、21代目が継承している。


 ・神女のろ

  琉球神道における神職。

  琉球王国から正式に指名され、各地に赴任している。聞得大君を頂点として組織化されている。

  王国に任命されていない、民間の巫女はユタと呼ばれる。


 ・八巻はちまち

  男性の琉装でつける帽子。

  位階によって色が変わる。

  王族は金・赤・黄系の浮織冠

  親方は紫

  親雲上は黄色

  一般士族は赤

  上記以外は青

  この時代はまだ服の袖の刺繍や簪で位階を表していましたが、想像しにくいので本作では八巻を採用しています。


 ・針突はじち

  ぱじちとも言う。

  琉球の女性が魔除けの意味を込めて両手の甲に刺していた刺青。

  初潮や嫁入りなどの際に刺していた模様。

  琉球の地域によって図案に違いがある。

  明治32年10月に明治政府より禁止令が出された。

  昭和55年時点で完全な針突保持をしていたのは2名。



【琉球の位階】

 ・王族

  王、妃

  王子:王の男子

  公主:正室所生の女子

  翁主:側室所生の女子

  王、王子以外の王族を指して「按司あんじ」と呼ぶ事もある。

  按司は王子妃を含めた王族全般の称号として利用される事もある。

  また、王族の血縁ではあるが代を重ねて血が遠くなると「親方」になる。


 ・士族

  士族の言葉は明治政府が定めたもので、琉球では「下司げす」と呼ぶが本作では士族を採用。

  士族には大きく3つに分けられ、上級士族には親方。中級士族には親雲上ペーくみー。それ以外を一般士族とする。

  概ね、治める領地の有無が左右され、かつ世襲制ではなく実力主義である事が多い。


 士族は厳密にはもっと細かい上、時代によって多少変更がありますが、いったんこんな感じで。

 その他地方役人とかも役職がありますがそこはおいおい。

  

 【系図】

https://kakuyomu.jp/users/yukioh/news/16816700426182671134

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